田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ブレッソンを観た後で

2007-07-21 23:36:35 | Weblog
7月20日 金曜日 晴れ
●東京にでだ。竹橋で降りて『東京国立近代美術館』。ブレッソンの『知られざる全貌』を見た。帰り、書道の用具屋さんによった。書道は10年ほどまえに中断している。障子紙を買うためである。書道は好きでいますぐにでもまた筆を取りたい。でも体力がないから、小説だけを死に物狂いで書いている。それでも、思うような作品は書けない。体力が続かない。そうだ、脇道にそれてはいけない。障子紙のことだった。和紙の手漉きの障子紙は売っている店がない。それも、つなぎ目のはいつている昔ながらの紙となるとなかなかお目にかかれない。やはり、あてにしたその店にも置いてなかった。残念だった。ぼんやりと筆を見ていた。小説家でやっていけるようになったら、もう一度あの墨の匂いをかぎながら書道をやりたい。まあそんなことができるようになるとは思えない。でもそれを夢見ている。
●手漉きだと光を通した時の、やわらかな感じがする。その和紙を通した光が畳に落ちてくれば贅沢な気分になれるのだ。光の質感にこだわっている。
●千鳥が淵で猫と出会った。わたしたちが猫の匂いがするのか、逃げようとはしない。カミサンが携帯で撮った。これが、その一枚だ。ブレッソンを観て感銘をうけた彼女にそのうちカメラをねだられることを覚悟している。
●竹橋の駅の付近でカミサンの草履の裏がはがれてしまった。困った。うまく歩けない。駅の売店で瞬間接着剤がないかと尋ねた。この上の階に文房具屋がありますよ、と親切に教えてくれた。そこで、靴修理屋さんのあることを教えてくれた。毎日新聞の社員食堂を横切ったおくにその店はあった。食事中の人たちの視線を浴びてすこしはずかしかつた。それでも親切な人たちのおかげで草履はふたたび履けるようになった。助かった。
●おなかが空いていた。和食の店に入った。うまかった。
「おふたり一緒でいいのですか」と会計のときにカミサンは声を掛けられていた。
「わたしたち夫婦に見えないのかしら」
●和服姿のカミサンはたしかに若く見える。