田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

緑の生活

2007-07-11 22:16:24 | Weblog
7月11日 水曜日 曇り
●PCを笈のごとく背負って街にでる。今日から元気にがんばらなくっちゃ。
 K川は上流で雨が降ったらしく増水していた。PCを背負って街を歩ける。幸せだなと思う。狭い田舎町だから情報は一日のうちに街をかけめぐる。同級生や知り合いの老人がこのところ立て続けに鬼籍に入っている。悲しい。わたし自身は、パアフェクトな健康体とはいえないが、まずはこうして町を歩き回ることができるのだから、万歳といってもいいだろう。万歳などと表現するところが昭和一桁生まれだなぁと思う。
●田舎町ではなにごとも噂の流れ以外はゆったりとしている。そこが、田舎住まいのいいところなのだ。町の人は、ほとんど顔見知りだ。うちのカミサンなんかそそっかしいから数年ぶりで配達をたのんだ肉屋さんに名前を言わなかった。それでも、注文の品はぶじ届くのである。ブティックで買い物をする。一銭も払わず品物を持ち帰ってくる。まあ、信用があるのはうれしいことだ。後で代金をとどけるのを忘れる、そこまで忘れっぽいことはないだろう。のんびりゆったりと時が流れていく。そんな町がにわかに騒然となったのは選挙があるからだ。
●緑が濃くなっている。ついこないだまで、雪をかぶっていた日光の山々も青い。近くの山は緑だ。むせかえるような緑の中で暮らしている。庭も、町も周囲の山々も緑の洪水だ。
●自然と共に生きていけるのも田舎住まいのよさだ。


不吉な雨

2007-07-11 01:14:53 | Weblog
7月10日 月曜日曇り夕刻より雨
●夜になって雨となった。バラをはじめとする草花が、雨にうたれてゲンナリとしている。廃園の雰囲気が生じた。あれほど咲き乱れて濃艶な香しい匂いをただよわせていたのに。ふと、不吉な境遇が脳裏をよぎる。もしカミサンに先立たれたらどうなるのだろうか?
 わたしたちくらいの年齢の夫婦になるとときおりお互いにそんな不安、つれあいと死別する不安にかられる。
●死はかならずだれのもとにも訪れる。それを拒むすべはない。どんなに愛し合っていても、死がどうじにおそいかかって来るとは限らない。いや、そんなことは起きないだろう。いつかは、独りぼっちの生活がやってくるのだ。
●万葉の歌人、山上憶良の歌。

 妹が見しあふちの花は散りぬべしわが泣く涙いまだ干なくに

●妻の死を悼む万葉の歌人の真情がよくでている。
 わたしなどは文学への妄執があるからなかなか死ねないだろう。でも、庭が廃園となるのをただ茫然と見ていることができるだろう。雨音を聴きながら、胸に去来する悲しいイメージをどうすることもできなかった。雨はこのまま朝まで降りつづきそうだ。