7月2日 月曜日 朝小雨、後曇り
●庭の緑の群葉が日ごとに濃くなっていく。
黄色いバラがまた咲きだした。あまりおおくのバラがあるので、わたしには品種をみきわめることができない。窓から眺めるとバラ、アジサイ、ストケシア、クチナシ、インパチェンス、夏椿、ゼラニウムまだまだ在るのだろうが、わたしにはわからない。よくも、この狭い庭に丹精こめて花々を育てているものだ。カミサンの園芸にかける情熱に感心する。
●家が緑の洪水の中に埋もれいる。家の外の風景は緑の群葉に囲まれているので見えない。緑の森林の中に住んでいるような錯覚に陥る。モカマタリを飲みながらジャズを聴く。ジャズはGONZALO RUBALCABAだ。曲はキャラヴァン。いいな。いいな。この曲を沼尾聖人と聴きたかった。彼は何十年もまえに死んでいる。湾岸道路ができたころ、バイクで自爆している。ジャズの帝王、渡辺貞夫と宇都宮工業から組んでいた逸材だった。あのころ、ピアノを弾いていた内田さんなんか元気なのだろうか。ゴンサロ・ルバルカバを聴きながらわたしのジャズにかかわった思い出をコーヒーとともにくつろいだ気分で味わっている。
小学校の同級生だった沼尾のことは一度だけ「抒情文芸」に書いたことがあった。まだまだ書いてあげたい。彼の無念を、挫折の悔しさを書いてあげたい。それは、長生きしたものの義務だと思う。彼が生きていてくれたらわたしの人生もすこしはかわったものになっただろう。彼らが、鬼怒川の観光ホテルで高校生だった頃ジャズを演奏しているのを聴いたことがある。わたしは通訳の例によってマネごとをしていた。外人を案内してホテルについたところだった。沼尾とはどんな会話を交わしたのだろうか。スケートにいく相談でもしたような記憶がある。いかにも梅雨時らしい、過去がどんよりと曇った空のように思い出さされる。すべてが、ぼんやりと曇っている。セピヤ色の写真のような記憶だ。
●ひとは、長く生きていると、回想の世界に身を置きたがるものだ。
書きたいことが、在り過ぎるありすぎる。構成力が不足している。文章が主題についていけない。
そうしたことを、クリアしてなんとか書き続けたい。書きたいことが在り過ぎる。
●コーヒーが苦い。回想にはつねに悔恨がつきまとうためか。
●庭の緑の群葉が日ごとに濃くなっていく。
黄色いバラがまた咲きだした。あまりおおくのバラがあるので、わたしには品種をみきわめることができない。窓から眺めるとバラ、アジサイ、ストケシア、クチナシ、インパチェンス、夏椿、ゼラニウムまだまだ在るのだろうが、わたしにはわからない。よくも、この狭い庭に丹精こめて花々を育てているものだ。カミサンの園芸にかける情熱に感心する。
●家が緑の洪水の中に埋もれいる。家の外の風景は緑の群葉に囲まれているので見えない。緑の森林の中に住んでいるような錯覚に陥る。モカマタリを飲みながらジャズを聴く。ジャズはGONZALO RUBALCABAだ。曲はキャラヴァン。いいな。いいな。この曲を沼尾聖人と聴きたかった。彼は何十年もまえに死んでいる。湾岸道路ができたころ、バイクで自爆している。ジャズの帝王、渡辺貞夫と宇都宮工業から組んでいた逸材だった。あのころ、ピアノを弾いていた内田さんなんか元気なのだろうか。ゴンサロ・ルバルカバを聴きながらわたしのジャズにかかわった思い出をコーヒーとともにくつろいだ気分で味わっている。
小学校の同級生だった沼尾のことは一度だけ「抒情文芸」に書いたことがあった。まだまだ書いてあげたい。彼の無念を、挫折の悔しさを書いてあげたい。それは、長生きしたものの義務だと思う。彼が生きていてくれたらわたしの人生もすこしはかわったものになっただろう。彼らが、鬼怒川の観光ホテルで高校生だった頃ジャズを演奏しているのを聴いたことがある。わたしは通訳の例によってマネごとをしていた。外人を案内してホテルについたところだった。沼尾とはどんな会話を交わしたのだろうか。スケートにいく相談でもしたような記憶がある。いかにも梅雨時らしい、過去がどんよりと曇った空のように思い出さされる。すべてが、ぼんやりと曇っている。セピヤ色の写真のような記憶だ。
●ひとは、長く生きていると、回想の世界に身を置きたがるものだ。
書きたいことが、在り過ぎるありすぎる。構成力が不足している。文章が主題についていけない。
そうしたことを、クリアしてなんとか書き続けたい。書きたいことが在り過ぎる。
●コーヒーが苦い。回想にはつねに悔恨がつきまとうためか。