田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ひげをそる

2007-07-07 00:20:13 | Weblog
7月7日 土曜日
●深夜、男ありて、日本剃刀でひげを剃っている。このように始めるとホラー小説のようだ。上京してひとと会う。三週間ぶりでひげを剃っている。じっさいのわたしは、電気かみそりを使っている。ジィジィジィジィという音には恐怖感はない。石鹸をつけて、顔を真っ白ににして、ぞりぞりとやると怖い。刃物の感触が怖い。GGGという音では、わたしがジジィと呼ばれているようで滑稽だ。この後は帰宅してからにします。
●浅草では浴衣を着た若い女の子がめだった。そこで遅ればせながら、七夕なのだと気づいた。田舎住まいが長い。長すぎるくらいだ。たまに、都会にでるとその変化の加速にめまいを覚える。どこにむかって、息せき切ってこのメトロポリスはrunawayって感じだ。田中康夫が宣伝カーのなかで声をからしていた。
●わたしは数時間前飯田橋のとあるビルのまえに佇んでいた。50年も前に別れたままになっている友だちだ。すばらしい近代的なビル。出版社を立ち上げて大成功していた。ここにくるまでには、人知れぬ苦労もあったろう。おめでとうとビルに向って握手の手をのばした。いつか、日を改めてたずねてこよう。今日では出来過ぎている。牽牛と織女の出会う宵だ。こちらはむさくるしいGGだ。むくつけ男だ。しばらくぶりでの出会いにはふさわしくない。
●2007,7,7。7が三個羅列。面白いと思った。50年後のこの年のこの日。7が三つ重なる日に生きていたら再会しょう。なにかSFかファンタジー小説で使えそうだな。時間怪談も書けるかもしれない。わたしは銀座線浅草駅で降りた。改札をでて右側の一杯飲み屋に入った。餃子と焼きそばのセット。生ビールの中ジョッキ。しめて1010 えん。酔えた。
●ここで今朝のひげそりの場面を思い出した。シャボンを顔一杯につけた男。日本剃刀で豪快にぞりぞりと剃っていくといつもとちがった顔が現われてくる。お前は、だれなんだ。