田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

餃子/夕日の中の理沙子(2)  麻屋与志夫

2009-02-02 06:12:47 | Weblog
2

「理沙子のときはあんなにはっきりと見えていたのに」

翔太が織部に応えようとした。

ソファの背にかけてあった携帯がなった。

「わたし。チサンホテルのディナーショーにでてるの。

会いたいわ」

「いまちょうど授業がおわったとこ」

「ダッタらぁ……おそいディナーでもどうかしら……?」


「フォーマルでこなければマズかったかな」

「これは舞台衣装ナノ」

玲菜は黒のロングドレスを着ていた。

「おきれいですね」

「あら、翔太さん……お世辞もいえるのね」

玲菜はすでに太田原産黒和牛のステーキを注文していた。

「こんな豪華な食事しばらくぶりだ」

翔太は感激する。

「おきらいだったらどうしょうかとおもっていたの」

「体力勝負のまいにちなので。

ギョウザ定食ばかりですとスタミナがおちます」

「ねえ。宇都宮って餃子消費量日本一なのに。

ニンニクのにおいのするお店がおおいのに。

どうして吸血鬼はへいきなの」


玲菜は好奇心まるだしだ。

でも声だけはひくめている。

「まんじゅうが怖い。あれですよ」

「…………?????」

「ほんとうは怖い世間の常識。

ニンニクギョウザをたべてるときに。

おそわれたこともある。

乱杭歯のあいだからニンニクのにおいをたてたヤツラに。

おそわれたことがある」

「あんがい、ニンニクだいすきだったりして」

「ぼくは、そうおもっています」

「新説ね。おもしろい」






one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
         ↓
    にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説

ああ、快感。