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奇跡が起きたのだ。
仏様が、孫太郎尊がわたしをたすけてくれたのだ。
(わたしてきには。
孫太郎尊の御本尊はカルラではないかとおもってきた)
虚空をとんでたすけに来てくれたのだ。
コウジとお礼まいりにいかなければ。
そのときご住職にきいてみよう。
栃木のタキオバアチャンにも会いたい。
「コウジ」
しつかりと手をにぎって理沙子はまた泣きだした。
コウジの顔にはほほえみがうかんでいる。
看護師の弓削さんは理沙子の肩に手をおいた。
「理沙子さん。よかったわね」
これで、理沙子は安心して受験できる。
第七章 夜のパトロール/翔太
1
「コウジ君の意識がもどったそうですね」
翔太がいまは覚醒連の所長の織部とむきあっている。
「たぶん覚醒者になっているだろう。
さらにハンターに昇格する可能性がある人材だ。
高校ではピッチャーをしていた。
運動神経バッグンだからな」
「ふたりでパトロールできるといいな」
そういいのこして翔太はオリオン通りにむかった。
宵闇がせまっていた。
この時刻からVの活動が始まる。
Vはじぶんの正体をみることのできるものをまず生贄とする。
みられるとがきらいなのだ。
群衆の中にまぎれこむ。
それをみとがめられるのが。
それをみきわめられるのが。
きらいなのだ。
「吸血鬼がいる」
なんてさわがれては。
おちおち生きていけない。
生きていくために。
ゆっくりと時間をかけて。
ひとの精気をすってはいられない。
過激派はナイフをもってうろついている。
精気を吸うどころか。
いまだに――。
血をもとめているものもいるのだ。
今夜もなにか起きそうだ。
いやもう起きていた。
翔太のサイキックとしてのみみに。
女の悲鳴がきこえた。
カルラ
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。
奇跡が起きたのだ。
仏様が、孫太郎尊がわたしをたすけてくれたのだ。
(わたしてきには。
孫太郎尊の御本尊はカルラではないかとおもってきた)
虚空をとんでたすけに来てくれたのだ。
コウジとお礼まいりにいかなければ。
そのときご住職にきいてみよう。
栃木のタキオバアチャンにも会いたい。
「コウジ」
しつかりと手をにぎって理沙子はまた泣きだした。
コウジの顔にはほほえみがうかんでいる。
看護師の弓削さんは理沙子の肩に手をおいた。
「理沙子さん。よかったわね」
これで、理沙子は安心して受験できる。
第七章 夜のパトロール/翔太
1
「コウジ君の意識がもどったそうですね」
翔太がいまは覚醒連の所長の織部とむきあっている。
「たぶん覚醒者になっているだろう。
さらにハンターに昇格する可能性がある人材だ。
高校ではピッチャーをしていた。
運動神経バッグンだからな」
「ふたりでパトロールできるといいな」
そういいのこして翔太はオリオン通りにむかった。
宵闇がせまっていた。
この時刻からVの活動が始まる。
Vはじぶんの正体をみることのできるものをまず生贄とする。
みられるとがきらいなのだ。
群衆の中にまぎれこむ。
それをみとがめられるのが。
それをみきわめられるのが。
きらいなのだ。
「吸血鬼がいる」
なんてさわがれては。
おちおち生きていけない。
生きていくために。
ゆっくりと時間をかけて。
ひとの精気をすってはいられない。
過激派はナイフをもってうろついている。
精気を吸うどころか。
いまだに――。
血をもとめているものもいるのだ。
今夜もなにか起きそうだ。
いやもう起きていた。
翔太のサイキックとしてのみみに。
女の悲鳴がきこえた。
カルラ
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。