田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

ミサンガ/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-02-04 07:58:03 | Weblog
「玲菜さん。そろそろ出番よ」

マネージャの高内がひかえめに去っていった。

高内の席にはイカツイ男たちがいた。

「ミサンガね。これにはプロミスリングの意味もあるのよ」

「民族がちがっても、それほど習俗はちがわない」

でもプロミス(婚約)とかんがえて、翔太はあわてた。

玲菜さんは、そういう意味もふくめて話している。

「翔太さんと、お揃いね」

「翔太でいいです」

「翔太。なにかリクエストは?」

「キャラバン」

「激しい曲が好きなのね」 

4
 
バンドは地元の「ラ宮」。

玲菜の澄んだのびのある歌声をきいていた。

ほろ酔い気分だった。

翔太にしてはめずらしく周囲への警戒感を解いていた。

「もういちどいってみろ」

テーブルをひっくりかえした。

コミックそのもののようなヤクザが凄んでいる。

高内のいる席だった。部屋はそうぜんとなった。

もめごとの原因はわからない。

翔太は玲菜のマネージャの高内のところにはしった。

マネージャは青くなっていた。

青のドレスより青ざめていた。

女性でなくても、筋ものにすごまれては。

ふるえあがるのはあたりまえだ。

ホテルのセキュリティがすごんでいる極道の三人組を説得している。

「部屋の外ではなしあいましょう」

「いやこの部屋のほうがいい。実にいい部屋ヤナ」

西からきている筋ものだ。

と、ことばから、翔太は判断した。

そっと手をのばして高内をうながした。

「逃げるなババア」

マネージャを楯にとられた。

「コゾウ。おまえ、ナンヤ。お子様の時間はおわりダ」

翔太は童顔だ。

年よりはるかに若く見えることはたしかだ。
  




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ああ、快感。