田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

乱闘/夕日の中の理沙子(2)  麻屋与志夫

2009-02-16 16:16:48 | Weblog
翔太も個室をとびだした。

耳をつんざくロックはもうひびいていない。

怒号。悲鳴。罵り声。

翔太はサブロウとむかいあった。

「なんてことする。気でもくるったか」

「狂ったのではない。もとにもどったのさ」

これがVのもともとの業とでもいうのか。

ひとをおそい。

鉤爪でひきさく。

血を吸う。

邪魔者はたとえ、同族でもコロス。

はたして殺すことができるのか。

疑問だ。

黙らせることはできる。

たとえ、長老たちでも口を封じられる。

そのための攻撃だ。

いままでは、おとなしくしていた。

ヒロシたち長老に使えるふりをしていたのだ。

「宝木!!!

いいかげんにしたら。

サターンの名が泣くよ」

キヨミがとびこんできた。

キヨミの長い脚が蹴りをはなった。

重いのでふっとびはしないが、宝木はよろけて。

長いコートの裾をじぶんで踏んで倒れた。

「おまえさ、宝木!! なにやってるかわかるの。

人を無差別におそっているんだよ」

「どうせおれは吸血鬼の従者だ。

なにをやろうとかってだろう」

「バカ」

キヨミは悲しそうな声をだした。

喧嘩仲間だけにわかる友情。

RFに成りさがった宝木を憐れんでいる。






one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。