田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

麻の腕輪/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-02-03 07:39:47 | Weblog
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「だったら――。

なにか吸血鬼除けの。

秘策はないの」

「これは野州麻で編んだ腕輪。

これをいつもつけていてください」

翔太は紅白に染めた大麻繊維を三編にした腕環を。

おずおずと、さしだした。

「ああよかった。

実はこのまえ駅で別れるときにわたそうとしたのですが。

笑われそうではずかしかったから」

「心配してくれていたのね」

翔太には玲菜が姉のようにおもえた。

玲菜のあどけないほほえみをみていると。

姉ではなく。

恋人のようにおもえてきた。

ぼくは玲菜さんがすきになってきている。

いや、はじめて会ったときからトキメイテいた。

「野暮ったい腕輪なのに……。

玲菜さんがするとすてきですね」

白くすんなりとした玲菜のwristで。

大麻の腕輪は。

魔眼石の腕輪のように存在感があった。

魔眼石の腕輪は痺れから身を守る。

この大麻の腕輪は吸血鬼に噛まれても痺れず。

解毒する。

だいいち。

吸血鬼にだけ嗅ぎとることのできる。

麻と似たニオイがする。

吸血鬼は同族のものと錯覚する。

おそわれることそのものを。

防御できる。

こともあるのだ。

「神社の鈴縄も大麻なのです。

魔除けの麻を。

玄関先に置く習慣が。

むかしはこの地方には。

あったのですよ。

ほら麻縄の暖簾をさげるお店があるでしょう。

あれなんか魔除け。

そして幸福をよぶとおもわれているからですよ」

なにを、ぼくはいっいるんだ。

玲菜さんにきにいられようとしている。

「おもしろい。おもしろいわ」



one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。