田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

キヨミの恋/夕日の中の理沙子(2) 麻屋与志夫

2009-02-19 17:20:51 | Weblog
2

なにかますますファンタジーの世界の話になる。

翔太はミヤとの対話をすすめていくうちにあることに気づいた。

Vたちにもテリトリーがある。

政治家や社会の上層部に生息してかれらを支配しようといている部族。

「学生たちのイジメをくいものにしているものがいるんですね」

「オリオン通りだけで、そこを通行するもの捕食するもの。

芸能関係のものにくらいつくもの。

いろいろいるからな」

「おもしろいですね」

「生活の苦しみ。

恋の悩み。

権力意識。

金への飽くなき欲望。

つけいるすきはいくらでもあるからな」


3

「翔太さん。

たいへんだよ。

サターンの宝木が警察でおおあばれしている」

あのあと器物破損か暴行罪ででも逮捕されたのだろう。

大麻なども所持していたはずだ。

「トチギちゃんねる11を見て」

なるほど。

あの野州新聞の記者がマイクをつきつけられている。

「バンドのメンバーは一人も逮捕されなかったのですか。

おかしいな。

吸血鬼の仮面をかぶったバンドで。

すごくノリがよかった。

あんなバンドが宇都宮にあるなんてきいていないな」

「あまりしゃべりれすぎると。

ヤバいですよね」

「そうだな」

ミヤの姿がすけてく。

「また、会おう。

お酒うまかった。

ごちそうさま」

しごくあたりまえの挨拶をのこしてミヤは消えた。


「ああおどろいた。こんなに、はやく現れるとはね」

キヨミたちはパルコの裏の屋台村でギョウザをぱくついていた。

翔太もカウンターの後ろのテレビをのぞきこむ。

宝木たちRFは部屋の隅においつめられていた。

警察の取り調べ室はめちゃくちゃにはかいされていた。

「あんなにあばれたらヤバイよ」

「RFになりたてだから、こわいものしらずなのだ」

「ねえ、もとにもどせないの。

たすけてほしいよ、アイツのこと」

「キヨミさん。それって、loveですか」

仲間の照子にからかわれている。

「ばぁか。だれがあんなデブ」

キヨミが真っ赤になった。





one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
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ああ、快感。