田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

彼女の姿が遠ざかる  麻屋与志夫

2010-01-05 09:53:55 | Weblog
1月5日 火曜日

●彼女とは美神だ。

わたしにとっては美神とは、小説の女神だ。

いくら書いても昔のように彼女はわたしに微笑んでくれない。

彼女の顔がはっきりとは見えなくなっている。

●彼女は後ろ姿だけを見せて遠ざかっていく。

こんなに愛しているのに。

あなたなしでは、一日も生きていけないのに。

わたしの愛があなたにとどかなくなってしまった。

●小説は読者があって、はじめて成り立つ。

読まれない小説なんて、ショーケースのなかの食品サンプルみたいなものだ。

形も香りまでついていてもたべられない。

●客はじぶんが見ていたものが、

本物によく似ているが偽物だということを知っている。

わたしの小説はそんなものなのだろう。

感動がつたわらないのだろう。

面白くない小説なのだろう。

悲しいな。

まだまだ修行が足りない。

●そして、読者層が年々低年齢化している。

若い作家であればじぶんと等身大の主人公をいくらでも書ける。

だがこちらは孫に語りかけるようなものだ。

高校と中学の一年生の孫がいる。

彼女たちに理解してもらえなければだめだ。

むずかしいよな。

●というところで、今年もよろしくおねがいします。

わたしのこのブログは小説ではなく、

日常のこまごましたことを書いていますが、

これがやがて、裏ネタになったり小説のある部分とリンクしたりします。

私小説的な発想の場で書いているので、

そうなるのでしょうね。

あっ、これはあのときのブログに出ていた場所だ。

とか、あのときの人物が小説に登場してる。

とか、ゲーム感覚で探索するのも……楽しいですよ。

と作者がいっています。

●そうなのだ。

去り行く美神とは読者なのだ。

若い読者にふり返ってもらえなかったら……だめなのだ。

きびしいな。

でも書きつづける。

いつの日か訪れるあなたの笑顔を期待して。


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