田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

モデルは探すな。パパラッチを探せ 麻屋与志夫

2010-01-23 23:35:00 | Weblog
1月23日 土曜日
●ブログです。
わたしは宇都宮では小説にもでてきますが「宇都宮餃子館」によくいきます。
ここの壁に貼ってある一枚の写真を見るのが好きです。
邱永漢が映っています。
あれこのネタどこかで書いたな。
まあいいか。
彼はわたしなどまったくおぼえていないはずです。
でもセンパイのことは後輩はおぼえているものです。
文芸首都での大先輩です。
写真をみているとタイムスリップしたようで、とてもなつかしいのです。
店員のかたは、ケッタイナオッチャンと思っているでしょう。
くるたびに写真を眺めて溜息をつく男。
このわたしを見て。

●今回は、ベルモールの「大戸屋」で食事をしました。
値段もリーズナブル。
「鶏肉と野菜の黒酢あん定食」
とてもおいしかったです。
くせになりそう。
また明日もいこうかな。

●田川と釜川の合流点には駐車場ビルはないですよね。
二荒神社のまえのマンションはまだ完成していませんよね。
再度書きますが、●印のないのは、これは小説です。
ファンタジー小説として楽しんでください。
モデルを探さないでください。
すべては、わたしのイメージのなかの存在なのですから。
ではまた……。
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パパラッチを探せ 麻屋与志夫

2010-01-23 23:01:05 | Weblog
part2 パパラッチを探せ 栃木芙蓉高校文芸部(小説)

10

「わたしわからない。
なにそれ? わたしに分かるように説明して」
「ドラキュラ―。吸血鬼のこと」
「鬼ね。吸血鬼。それならわかる」
「それで奥本くんの誘拐と、吸血鬼はどうつながる」

黒田がきく。

「番長が下野高の影番に襲われたのが始まりです」
「宇都宮の愚連隊がどうして栃木に出張ったのだろう」
「それのレンチュウが写真に映らなかさったので。
不審におもって撮影現場にもどった奥本が。
いなくなったのです」
「だいたいのことはわかった。
警察にも捜査をたのもう」
「奥本くんの家族に相談しないと」
「それは心配いらない。
非公式に、つまり、所轄ではなく県警に友だちがいるから」

宇都宮でもこの春から原因不明の失踪人がふえている。
案外これは誘拐されたのかもしれない。
犯人からなにも要求の連絡がないから失踪人と断定されている。
誘拐だとするとたいへんなことだ。
探偵の黒田はDマークの駐車場にふたりを導きながら私見を話す。

「だつたら……こうかんがえたらどうかしら。
吸血鬼が補食している。
ひとを捕まえて血を吸っている。
ひとを捕まえてたべている。
だからわたしが目覚めたのだ。
そうよ……ぜったいにひとに害意をもった吸血鬼は許せない」

三人は釜川が田川に流れ込む地点にある。
駐車場の独立したビルの裏にたどり着いた。


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パパラッチを探せ 麻屋与志夫

2010-01-23 21:20:07 | Weblog
part2 パパラッチを探せ 栃木芙蓉高校文芸部(小説)

9

「どういうことなのかな? 監察官って?? おしえてくれる」
「それはあとでゆっくりと語るよ。
それよりわたしの大和言葉おかしいよ???
少しずつうまくなるから。
それより奥本パパラッチみつかったの?
わたし心配……なの」
「奥本のことはわからない」

携帯がなった。
「はい机」
「WOOO……。ほんとに芥川くんにつながった」
「それちがうし。机だょん」
あいてのイントネーションに合わせたらおかしな声とことばになにった。
ぼくだって、もっか栃木弁のお勉強中だぁ。
とても素朴でいい。
東北弁と江戸弁がまざりあって形成されたのだろう。
「繭のセンパイが宇都宮でマンション暮らししてるの。
それでおかしなこときいたのおもいだしたのよ」
オリオン通りに文子といる。
というと「わたしもいきたい」と話が脱線しそうになる。
「文子はぶじに宇都宮についたのね」
こんどは知美にかわった。
繭がもたもたしているからだろう。
「その黒田センパイが二荒神社前のアーバンタワーにいる。
最上階。1202。たずねてみて」

「どうぞ」
 おどろいたことに、センパイというのは男性だった。
それも大先輩。
二十代の後半というところか。
探偵だった。
いまのトラブルにはうってつけの職業だぁ!!!
「ともかくみてくれ」
なんの前置きもなしに、シャーとカーテンを開けた。
宇都宮の街、黄昏時の美しい街が鳥瞰できる。
「いますぐだ」
日がかげった。
まちに明かりがともった。
ネオンサインがきらめきだした。
「わかるか? 駐車場のPをみてごらん」
たてものの上部のおおきなP、パーキングの頭文字。あっ、わかった。
「第一画の、縦棒の下の部分がきえている」
「そのとおり。でなんと読むかな」
「D--。ディー」
「でぃーは」
「ドラキュラ―のディー」
黒田と龍之介は唱和した。
歌声になっている。
「なな、おかしいだろう」



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パパラッチを探せ  麻屋与志夫

2010-01-23 07:48:43 | Weblog
part2 パパラッチを探せ  栃木芙蓉高校文芸部(小説)

8

龍之介は、あっと叫んだ。
MBXにまたがった文子だ。

えっこれって。Big、いやMax surpriseだ。

下館は不健康な青白い顔をさらに蒼白にしている。
ジイッと文子をみていたが「シンジラレナイ」と恐怖のつぶやき。
「どうしたんで。なにみてんけ」
と床にのびた吉沢がかすれた声で訊く。

「監察官」

「よくしってるのね。あなたたちは、外来種。帰化吸血鬼ね」
「なにぬかす。おれたちのほうが本場モン。ルーマニヤ出身だからな」
「龍之介! いきましょう」
「させるか!!」
「ボス。ヤバイですよ。skipしましょう」
「逃げっぺ。逃げっぺよ」と吉沢。

黒のトレンチコートに取囲まれ、そのまま下館はスキップして天井にはりついた。
黒いインクのシミのように天井にひろがり明かりとりの窓からきえていった。

「監査官!? てきこえたけれど。それってどういうこと」

「あとで……ゆっくりはなすは。救急車をよんであげて」

文子は床でうめいている川田の首筋に手を当てた。

みるまに血がきえていく。

引田天功のマジックでもみているようだ。


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