田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

パパラッチを探せ 麻屋与志夫

2010-01-20 23:37:55 | Weblog
part2 パパラッチを探せ 栃木芙蓉高校文芸部(小説)

5

「あんた、どこのものだ。なに探りにきた」
「だだの、高校生です」
「なにぬかす。学生さんが、そんな腹のすわった態度とれるか」
男の後から黒のトレンチコートの物の化じみた連中があらわれる。
「吉沢、なんてざまだ。川田なんてざまだ」
はじめにパイプを手にした男。
川田が青くなった。
ふるえている。
下館がよほど怖いのだ。
あるいは、その背後の黒のトレンチコートか!! 
黒のコートのうでがのびた。
川田をかかえこむとガバットその首筋に噛みついた。
川田の足は床から浮いている。
片腕で男一人をつるしあげる筋肉の力。
そして血を吸うもの。
「そういうことですか。やっぱりね」
「わかっているみたいだな。
おれたちの正体が。
改めてきく。どこのものだ」
「だから、学生です」
龍之介は警棒をにぎりしめたが、
このとき下館が拳銃をとりだした。
「探れ」
いわれて吉沢が龍之介の内ポケットから学生証をとりだした。
「間違いありません。栃木芙蓉高校の二年生。机龍之介です」
「机龍之介だと。ふざけた名前つけやがって」
吉沢のスキをみて彼を盾に取った。
それでも、取囲まれた。

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地方文化の活性化は文芸部から 麻屋与志夫

2010-01-20 05:57:54 | Weblog
1月20日 水曜日

●しばらくぶりでプログです。
今朝もam3:30に起きたのですが、暖かなのでおどろきました。
二階の寝室で6゜でした。
階下のホリゴタツのある部屋が8゜。
鹿沼のわが家にとったら春先のような温度です。

●さて、やっと書き出した作品。
「栃木芙蓉高校文芸部(小説)」とカッコのなかに。
これは(小説)なのですよと、
しばらくは明記してみたいとおもいます。
電脳空間での携帯小説です。
検索すると、
あたかも芙蓉高校という私立の高校が栃木にある。
――ような錯覚を起こす方がいるようです。
国学院高校がモデルですか?
なんてきかれることもあります。

●栃木は両親の故郷です。
そして、
わたしの師匠だった木村学司先生は、
明治大学で山本有三先生の教え子ですから、
――これは自称ですが、
わたしは有三先生の孫弟子ということになるのでしょうか。

●なつかしい栃木を舞台に選んで書きだした小説ですが、
地名や商店名がそのままでてきてもこれはすべて小説です。
フイクションです。
ご迷惑をおかけしないように十分配慮するつもりです。
よろしくおねがいします。
なにかありましたら、ぜひコメントをいれてください。

●わたしには「巴波川慕情」という小説があります。
合戦場の新地の話などもでてくるのでここには載せられないでざんねんです。

●宇都宮のオリオン通りがすごいことになっていますね。
先週の日曜日にいったのですが、
今日の小説にもでてきますが、
閉店したお店がなんと多いことでしょう。
悲しいです。
鹿沼でもヨークベニマルの隣の衣料店が撤退ですね。
悲しいです。
もちろん東京も不況の風は吹き荒れています。
が、地方ほどの冷やかも風圧もありません。
この温度差はどこからくるのでしょうか。
地方に元気を、などといいますが、困ったものです。
わが「アサヤ塾」なども外部から来た大手の塾におされています。
困ったものです。
それこそ私たちも長年やってきた塾をやめなければならないようです。
悲しいです。
塾をやめたら鹿沼にもどってくることはなくなってしまいます。
故郷はなつかしいですものね。

●栃木は日本で初めての吸血鬼とはかいていませんが、
――『青頭巾』で有名な場所です。
大中寺の七不思議もあります。
じょじょにそれらも取りこんでいきます。
ご期待ください。

●わたしの拙い小説が栃木の活性化につながればいいなとおもいます。
観光名所として栃木を世に知らしめる一助となれば、
いいなとねがいながらかきつづけます。
よろしくご愛読ください。

●地方の活性化・自立のための7ヶ条
地方経済活性化を実現するには、「交通(Transportation)」「通信(Communication)」「知(Education)」の3つの要素を整備し、地域の経営資源として活用することが必要条件である。

●ブログをかきおえて地方の活性化を検索したらたまたま上記のような記事が目にとまりました。
わたしは物書きですからこの『知』を文化レベルと解釈します。
いま書道ブームで中学、高校の書道部は人気がありますね。
文芸部がんばってください。
中学ではこの地方では文芸部のない学校がおおいですものね。
このへんのところもこれからかいていきたいとおもいます。
文芸部のみなさん、つぎの文化はあなたたちにかかつています。
がんばってください。

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パパラッチを探せ  麻屋与志夫

2010-01-20 04:35:27 | Weblog
part2 パパラッチを探せ  栃木芙蓉高校文芸部(小説)

4

「墨をいれるだけの度胸があるのかよ」
「それともオカマチャンだったりして。ネイルサロンかな」
挑発してくる。
ようするにからみたいのだ。
困った。
こんなところで騒ぎは起こしたくない。
「オカマ。おかま」
後ろにいた男が尻をぐっとにぎってきた。
がまんも限界だ。
こんなヤッラにされるがままにしてはいられない。
頭がにえくりかえった。
「貧弱なボキャだな」
「えっ。ナンテッタ。
ボケだって?? もういちどいってみろ」
「vocabulary」
「ぼけ~ぶらり???
なんだそら?!
おしえてクレッけ」
「ああそれよりあんたらにきいたらわかるかも……」
「なんだよ」
龍之介が物おじしないしないのが、彼らにはおもしろくない。
「そのへんで飲もうや」
通行人にあやしまれないようにカモフラージする知恵はある。
みんなで肩を組んで閉店の看板のでている店のシャッタの奥につれこまれる。
ふいにストレートがおそってきた。
みかけない顔だ。
とさいしょに声をかけてきた男だ。
「へえ、吉沢のストレートをみきった」
ボクシング・ジムにでもかよっているのか。
かなりのスピードださった。
ほほの肉が熱ばんだ。
「これならどうだンベ」
男は細いパイプをもつべきではなかった。
さらに龍之介にむかって上段から打ち込むべきではなかった。
龍之介の右手には、いつとりだしたのか警棒があった。
小手に打ちこまれ男は、
はでな音をたててパイプをとりおとす。
「こいつ、おかしいぞ。やっちまえ」
どうして、こうもワンパタンのせりふきりいえないのだ。
龍之介の音なし剣さばきは敵のパイプをことごとく落下させていた。
そして音をたてたのは、
パイプのコンクリートの床を打つ音だけだった。
「ハァイ。そこまで」
「下館さん」
吉沢が挨拶する。
さきほど階段ですれちがった男が柱の影からあらわれた。
試されていた。
下館は拍手をしている。


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