14
すれちがうひとびと!
とくに酔客。
ギラギラした顔だ。
いらいらした視線をなげかけてくる。
でもかれらは酔って感覚が鈍くなっているからしあわせだ。
わたしは……
怖い。
いままで純とふたりでとてもたのしかったのに。
――乗っ取られそうだ。
わたしがわたしでなくなっていく。
兇暴な音波攻撃。
キーンという金属音。
みみのなかに、だれか入りこんでくる。
わたしはなにか怪しい、異なるものに取りつかれている。
乗り移られそうだ。
だれかいっていた。
アキバの刺殺魔だったかしら。
悪魔の声が聞こえた。
悪魔に命令されてヤッタ。
そんなことは……裁判員は認めないだろう。
でもわたしにも聞こえる。
いまならわかる。
彼のいってたことが、
本当だったのだ。
拒まなければならない言葉。
意識。
憑かれそうで怖い。
――純、助けて。
「翔子。鬼切丸の柄を握れ。鬼切丸に祈るんだ」
見れば!!!
純は鬼切丸を左手に持ち暗い階段を上っていく。
エビ通りの外れだ。
香ばしいエビを焼く匂い。
この雑居ビルにまで入り込んできている。
周りにはまだ浮遊霊。
こちらをうらめしそうににらんでいる。
あの霊たちも、悪魔にみいられている。
純が異常なしと認めたのか!!
薄汚れた木製のドアを開く。
花火でも調合しているような机上の道具。
機材。
粉末の臭い。
ここだぁ?!
ここにちがいない。
翔子は偶然あのしかけられた爆薬の製造現場を見つけた。
いやちがう。
わしたち導かれている。
誘われている。
危険危険危険。
奥の扉が開いた。
「よく来たね。待ってたよ」
小学生。
だ。
くろの学生服を着ている。
いや、ちがうよね、純。
あれは忍者の黒装束。
リリパッドの忍者の巣窟にいる。
わたしと純。
不穏分子のアジトを発見。
そして、隣の部屋からはカボソイ悲鳴。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
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ギラギラした顔だ。
いらいらした視線をなげかけてくる。
でもかれらは酔って感覚が鈍くなっているからしあわせだ。
わたしは……
怖い。
いままで純とふたりでとてもたのしかったのに。
――乗っ取られそうだ。
わたしがわたしでなくなっていく。
兇暴な音波攻撃。
キーンという金属音。
みみのなかに、だれか入りこんでくる。
わたしはなにか怪しい、異なるものに取りつかれている。
乗り移られそうだ。
だれかいっていた。
アキバの刺殺魔だったかしら。
悪魔の声が聞こえた。
悪魔に命令されてヤッタ。
そんなことは……裁判員は認めないだろう。
でもわたしにも聞こえる。
いまならわかる。
彼のいってたことが、
本当だったのだ。
拒まなければならない言葉。
意識。
憑かれそうで怖い。
――純、助けて。
「翔子。鬼切丸の柄を握れ。鬼切丸に祈るんだ」
見れば!!!
純は鬼切丸を左手に持ち暗い階段を上っていく。
エビ通りの外れだ。
香ばしいエビを焼く匂い。
この雑居ビルにまで入り込んできている。
周りにはまだ浮遊霊。
こちらをうらめしそうににらんでいる。
あの霊たちも、悪魔にみいられている。
純が異常なしと認めたのか!!
薄汚れた木製のドアを開く。
花火でも調合しているような机上の道具。
機材。
粉末の臭い。
ここだぁ?!
ここにちがいない。
翔子は偶然あのしかけられた爆薬の製造現場を見つけた。
いやちがう。
わしたち導かれている。
誘われている。
危険危険危険。
奥の扉が開いた。
「よく来たね。待ってたよ」
小学生。
だ。
くろの学生服を着ている。
いや、ちがうよね、純。
あれは忍者の黒装束。
リリパッドの忍者の巣窟にいる。
わたしと純。
不穏分子のアジトを発見。
そして、隣の部屋からはカボソイ悲鳴。
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