田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

学園が燃えている/さすらいの塾講師 麻屋与志夫

2010-10-21 04:53:36 | Weblog
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モニターの監視は百子の仲間、ヨシコに任せた。
ついてくるというのを説得するのがたいへんだった。

「わたしがハンドル握る。翔子、疲れているようだから」
「玲加。すごい。道路をなめるようにバイクが走っている」
「彼が、走り屋なの」
「えっ、それきいていないシ」
「翔子さん。きこえてますか。ボス(百子)のバイクは雑司ヶ谷霊園の手前でひきかえした。いまブクロの駅前。池袋学園のほうに向かってます」
「ヨシコ。サンキュウ」

ふいにバイクの轟音。
バイクの集団が学園の方角に疾走していく。
深夜なのでかなりトバシテいる。
玲加がハンドルをきる。
まきこまれないように路肩へよける。

「なによ!! あの幟!!! 暴走族なの」
「翔子。旗のロゴよんで」
「人狼」
「あいつらよ」
「どうやら、おもてだって動きだした」

学園の前の広場では。
……百子が戦っていた。
玲加はバイクをその戦いの渦の中心にのりいれた。
「ハァイ!! 百子。オマタセ」
「またないわよ。はやすぎ。わたしをつけてきたの」
「モニターでみてね」
「これってテロよ」
百子が顎で指す方角。
学園の校舎めがけて火炎瓶が投げこまれた。

「ファイアトラック呼ぶね。うちの校舎焼き打ちにあってる」

ナゼダ? 人狼や吸血鬼の恨みを学園が受けるはずがない。
わたしえの恨みを校舎にむけた。
そんなの逆恨みだわ。
また鬼切丸を抜く事態が起きる時おもっていなかった。
校舎からは警備員が現われた。
人狼の集団におそわれている。
「玲加。いくわよ」
翔子、百子、玲加。
美少女三人剣士が人狼の群れに斬りこんだ。

「ウチの学園になんてことするの!!! おやめなさい」
翔子の鬼切丸がキラメク。
人狼の腕がいっきに四本も夜空に飛んだ。
百子の忍び刀は動きがみえない。
刀もめだたない。
黒くそめられている。
そして黒装束。
百子のいくところ。
苦鳴が起きる。
絶叫がひびく。
人狼が倒れる。 



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