日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



60年代にブニュエル(スペインの映画監督)が撮った「昼顔」を元にした続編に、オリベイラ監督がチャレンジ。

一言にいうと、
主演の二人がセリフとともに醸し出すムード、そして時折挟み込まれるパリの風景、これらを存分に愉しむことができるか。そして秘められた毒を感ぜられるか。そんな映画。

どのシーンも質が高く、濃密。
特に食事のシーンでのやり取り及び「無言」の空間のパワー、そしてバーでの台詞などが強い印象を残す。
撮影でも、そのバーのシーンの鏡を駆使した手法に唸らされる。
マネの「ベルジュール劇場のバー」を思い出した。

さすがルイス・ブニュエルに捧げただけあって、ブニュエル臭がたちこめる瞬間があり、ゾクゾクする(そういう人には)

こんな作品、ブニュエルを知らない人にはとても薦められない。
ウカツに手を出すとそれなりにちゃんと火傷する、そんな映画。
1時間10分の小品ではあるが、毒がきっちりと込められている。

もうすぐ100才になるのに、こんな映画を創るオリベイラ監督に正直ビックシ!
今年最後の劇場鑑賞の締め、としては十二分すぎる刺激。
元気でますわあ。

「性」(セイ)は肉体的に枯れたとしても、「生」(セイ)とともに香る。
以前に劣らず強烈に。


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