日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



感想を一言にいうと、今年1月に出版された「明日の広告:変化した消費者とコミュニケーションする方法」(著者:佐藤尚之氏 CMプランナー→ウェブ・プランナー→コミュニケーション・デザイナー。1995年から個人サイト「WWW・さとなお・COM」(http://www.satonao.com/)を運営してきたネット感覚も兼ね備えたクリエイティブ・ディレクター)と、印象が非常に近い。
(参考:2008-01-18  読後評:明日(あした)の広告 現役感バリバリのコミュニケーション論。これは必読書!)


違いは「明日の広告」がクリエイティブ・ディレクターの言葉で語られているのに対して、こちらの作者 岡本一郎氏はマーケッター系の人。

リアルな体験談に基づいた話はここには全くないが、そのかわり論理的に組み立てられたロジックがある。
この違いが表現の仕方の違いとなっているが、根本的に言いたいことはすごく似ている(あるいは参考にしたのかなあ?)
インターネットの普及に伴う情報洪水によってがらっとかわってしまった消費者、そしてアテンションのゼロサムゲームが発生しており、その中で現行マスメディア(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)の進むべき道を、彼ならではの視点で語っている。


「マスメディアは必要か」が副書名となってはいるが、必要性をきちんと説明しているところが好感がもてる。
このところ、あまりに煽動的なタイトルの本が多く生み出されており、海外の全く違う状況を引用した事例・実績頼りだったりして中身があまりに薄く、即!ゴミ箱行きが多かっただけに。
「アイスクリーム屋の誤謬」という表現で全体の限られたパイの中での現行マスメディアの行動方向を示唆しているが、個人的に参考になるいい事例としてぱっと思ったのは、「テレビ」が出てきたときの「映画」の反応。
(その時に話はあくまでも間接体験だが)
そしてその後、これらがミックスされヒットを生む現在。


最後に、けっこう刺さった以下の一文を引用して終わりたいと思う。
「今現在、我々が持つクリエイターのイメージは、印刷物やテレビCMや番組といった、ある規定の枠組みの中で、ルールにしたがってコンテンツを作る職人、というものです。
 しかし今後は、メディアの枠組みそのものを作っていく、そしてその枠組みが市場の文脈の中でどのような利用のされ方をするか素早くセンスして、枠組みとコンテンツの両方を進化させていく、といった能力が、クリエイターには求められるようになるのではないでしょうか」

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