日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






まずテレビってそもそも、我々とどんな関係性を有しているのだろうか?
最終章にまとまった表現があるので以下、引用。

我々は身近な存在であるテレビについて、ほかのどのメディアより知ってるつもりだが、
近い存在であるゆえに俯瞰して観察できないという盲点もある。
またテレビは自らが存在する社会と文化に根底で結びついているために、ヒトはテレビ
文化に慣れてしまうとそれがテレビというものだという先入観にとらわれやすい

この指摘は確かに!と思わせる。
そしてこの先入観領域になぜこの本が踏み込めたのか?
それはこの本の作者は、本国とは全く異質な日本のテレビに魅せられた韓国人 黄 菊英氏だから!
共著の 太田 省一氏、長谷 正人氏と日本のテレビを分析・分解を試みている。

実は韓国ではテレビは「バカの箱」と、呼ばれているそう(笑)
そして日本のテレビを観察するうちに気づいたのが、日本のテレビにはなぜか韓国のそれにはない「緊張感」があること!
そして友達に言われてハッとする。
「なんでテレビにいちいち答えているの?」
そう、日本のテレビには異様に多くの「?」「?」「?」が詰め込まれていたのだ。


その原因の主因は本のタイトルにもある、クイズ番組の異様な多さ。

そしてクイズ番組を分析・分解していくうちに、いくつものキーワードが登場してくる。

・「同時性と同時刻性」 後者は過去の現在化、ということ
・時間との闘いにおける緊張感の演出
・「間」の強調とサスペンス
・出演者のキャラクター化 
 「おバカキャラ」「ボケ or ツッコミ」キャラ
・情報を意図的に「秘密化」

  etc… お~そうだよね!的な指摘の連発!


さらに!
クイズ番組だけでなく、他のジャンルもクイズに浸食されているという指摘に発展する。

「バラエティ番組」はクイズ番組のようなものだが、「ニュース番組」にさえも入り込んでいる、と言う!
確かにおもいっきりテレビから始まった「めくりフリップ」は、各ニュース番組で煩雑に登場している。
さらに生中継が中心で「同時性」が売りの「スポーツ番組」でさえ、「同時刻性」が浸食?
その浸食は流石に、1日のスポーツまとめ番組でのことだったので、ホッと(笑)


また日本と韓国のテレビ方式の違いが日本独特のCM文化を生んでいる、という指摘が。
それは、「山場CM」のこと。
番組のクライマックスで、答えはCMのあと!と噛まされるアレ。
なんと韓国では番組の前後にはCMは存在するが、番組中にはCMは一切流れないとのこと!
この「山場CM」について、番組ジャンル別、4か国別で分析している。
こんなデータ分析をみたのは間違いなく初めて。


というわけで、確かに冒頭で取り上げた通りだなと。

ヒトはテレビ文化に慣れてしまうとそれがテレビというものだという先入観にとらわれやすい

結論:未近なはずのテレビを、新鮮な視点で切りまくる 良著!


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