日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



 


ここ数年、英語の仕事を増やした(自分の意思でそうした)せいだろうか、交渉するのが楽しくて仕方ない。
ただし英語の場合、あくまでもメールベースではあるが(笑)


英語だと ストレートな物言いができるし、ロジック建てをしっかりすることで文章が締まってくるのが実感できる。
このへんのぐっとくる感覚がいいのだ!

そして、どんな返答が戻ってくるかを待つのが楽しい。
返事がすぐに届く場合、それがどんな返答だろうと、すぐ切り返すようにしている。
即答に感謝しつつ、できるだけ気の利いた形にして。



そんな気分の昨日今日、出会ったのがこの本。
元々英語の本なので、参考になる部分が多そうだな、と。

以下、刺さった部分をメモ。
(量が多いので、特にいい部分は太字)


あらゆる場面に使える5つのポイントからなるメソッド
1.条件ではなく、利益に注目する
2.「人」と「問題」を切り離す
3.双方の利益に配慮した複数の選択枝を考える
4.客観的基準にもとづく解決にこだわる
5.「BANTA(best alternative to negotiated agreement)、交渉が決裂した場合にとれるベストな行動を用意する

不確実性に対処することを交渉戦略の中核に据えるのだ

「交渉においては自分の目的を正確に理解しておくことが不可欠だが、それが出来てない人は驚くほど多い。
その上で目的地にたどりつくための2000通りもの方法を考えなくてはならない。
相手はどんな条件を持ちかけ、何を主張し、どんな手を打つのか、じっくり観察し、じっくり話を聞き、
自分が話すのは控え、粘り強く交渉するのだ」
元USTR代表、シャーリーン・パルチュフスキー

合意内容について多様な調整方法を考えておくほど、交渉の途中で機敏かつ創造的になれる

一流の交渉人になるには、以下の性質を兼ね備えていることが必要
・穏やかでありながら警戒を怠らない
・辛抱強い一方、主体的
・現実的でありながら創造的

相手の動きに集中すれば、心は落ち着く

交渉でもジャズでも、相手に耳を傾け、反応するなかで「学ぶ、変わる、変える」のプロセスが刻々と進んでいく

1.相手に注意を払う
アクティブ・リスニング(積極的傾聴)の上を行く、優れた注意力がある
2.相手を変えるべきタイミング、自分が変わるべきタイミングを心得ている
ジャズではこれを「ソロ」と「コンピング」と言う。
3.主体的、ときには挑発的である
事態を進展させるため、計算されたリスクを取る

アメリカ海兵隊の戦闘の手引きには、こう書かれている。
「戦闘は本質的に流動的であり、隙間が恒久的であることはめったになく、すぐに消えてしまう。
 隙間を突くには柔軟性とスピードが必要だ」


行動重視の姿勢を貫くべきかは、どのように行動することが「軽率」あるいは「時期尚早」になるかを確認するとわかる。
それまでの主張を維持する、すなわち行動しないことが正しいのは、以下の状況だ。

・交渉を先延ばしになるかをしても、コストがかからないケ―ス。すなわち全ての選択肢が残され、相手の信頼も失わない状況
・時間は自分に味方しており、時間がたつほど選択肢がさらに好ましくなるケース
・もっと学習することで、より賢明な選をできるようになるケース
・決断についてじっくり考えることで、自分の選択に自信が持てるようになるケース

一方で…
逆説的なようだが、ある事態を「交渉」と見てしまうことで、合意形成が難しくなる場合もある

「ジャドー・ネゴシエーション」

「イエス」の言い方は一つじゃない

優れた交渉は、小さな合意の積み重ねである or, 合意とは、交渉中になされた、小さな理解の積み重ね

交渉の分かれ目= 価値観の違い、スクールメリット、時間軸、期待の違い、リスク許容度

ボスニア政府が閃いた、自動車狙撃を絶滅する方法(これは凄い!)

当事者同士が解決策を潰すのではなく、ともに産み出そうと対話しているときには、
「ちょっとした思いつきなんだが・・・」
「他の人がまとめてくれたことをベースに,どうすれば先に進めるかな」
「ちょっと突拍子もないことかもしれないけど・・・」
「・・・のようなことが出来たら最高じゃないかな?」


すばらしい解決策を出すタイミングも重要
・すでに相手の信頼を獲得したか
・相手の提案を聞くとき、自分の提案に示してほしいような敬意を払ったか
・相手の期待は現実的か
・駆引きや組織的制約など、合意の障害になりそうな他の要素には対処したか
・提案内容を受け入れてもらえる確率を高めるために、他にできることはないか

全ての取引を記録する → 我々はどのような結果を出したのか、どのようにそこに到達したのか

問題 →理由づけ→判断、ではなく、問題 →感情→判断→理由づけ



このように、やたら沢山の気づきがあり、実に有意義な読書だった。
NYのシティバンクビル買収をはじめとする事例も聞いたことのない話ばかりで面白い。

最後に、ついている付録? なのか、まとめがいい。
「交渉でカオスをうけいれるべき25の理由」

それは、この本を手に取っていただき、ご覧頂きたく!

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