-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

これでスケートできるの

2013-05-17 20:39:31 | 民具

 

 これでもスケートの金具です。この上にゴム長を載せ、紐で結び着けます。私が子供のころにあったものです。私がまだ生まれる前に鍛冶屋さんに作ってもらったのだそうで、いつごろの物かは分かりません。そもそも、畑沢には雪はたくさんありますが、スケートで滑る氷がありません。しかし、それでも当時の私は「乗ってやる」と意気込んで、準備をしました。まず滑るべき「氷」作りです。雪をスコップで叩き、さらにスコップの平らな部分で擦り、表面をテカテカにしました。表層に極、薄い氷の幕ができただけです。さあと乗りましたが、直ぐに踏み込んだだけで雪に金具がもぐりこみ、とても滑れるものではありませんでした。その後は、当然のことに、決して再び滑る気は起きなくなりました。そのために、この金具は、損耗することなく、まるで大事に保管しているかのようにほぼ完全な姿で残っていました。

 畑沢ならば、スキーで遊ぶことを考えますが、何故にこのような物を作ったのかが分かりません。何処かのスケートができる地域のスケートを真似たのでしょうか。実際は乗れないにしても、鍛冶屋さんがあれこれ工夫して作った造形が面白いと思います。役に立たない物でも、捨てられずに今だに私の手元に残っています。スケートも「何かのお役にたちたい」と思っていることでしょう。

 その点、女の子用の「竹下駄」は、何とか使えたようです。長靴などで踏み固めた雪のスロープを滑ります。スキーと比べたら、極端に前後が短い訳ですから、安定性が悪くて直ぐ転んでしまいます。やはり男の子には、面白いものではありませんでした。