-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

沢筋の湧き水(1)

2013-05-19 17:08:13 | 自然

 畑沢は、地名に「沢」という文字が使われているように、千鳥川流域に開けた沢沿いの集落です。尾花沢市内には、「沢」が付く地名が多くあります。そもそも「尾花沢」がそうです。外にも大字名では、延沢、六沢、五十沢、南沢、芦沢、岩谷沢、毒沢、野黒沢、名木沢です。畑沢の中にもさらに小さな沢が沢山あります。昔は、それぞれの沢で水田や畑を耕していました。今、考えると実に「猫の額」程度の水田もありました。そのような所での田植えは、私のような「スビタレ」にはピッタリでした。田植えを初めても、瞬く間に「完了」してしまうのです。一枚は一枚に違いないのです。そしてすぐに小休止できます。

 沢での農作業は、田植えだけでなく、耕運、くろ(畔)塗り、代掻き、草取り、稲刈り、稲背負い等の作業がありますので、「沢」にも頻繁に出かける機会がありました。当然、自宅から遠いところへは、弁当持ちになります。その時、おにぎりなどは持参しますが、飲み水は持っていきません。それぞれの沢には、必ず湧き水がありますので、それを飲みます。湧き水は、大事な場所ですので、常にきれいに掃除がなされ、周囲の草も刈り取られていました。水を汲むときは、置かれている茶碗を使う場合が多いのですが、笹や蕗の葉でコップを作う場合も多かった気がします。

 今、沢の小さい水田は、耕作を放棄されているのが殆どです。そのため、湧き水は誰にも手入れされずになっています。しかし、それでもこんこんと湧いてくる水の味は、昔のままです。下の写真は、中畑沢の屏沢にある湧き水です。この沢には4つの湧き水があり、その中で、私が最も好きな湧水です。幼友達と山に遊びに行ったときに、よく飲んだ思い出が多い場所です。岩の割れ目から湧き出て、何段にも滝となって流れ落ちます。見た目にも素晴らしい感じがします。それでも、手入れをしないと、落ち葉と岩かけで埋まってしまいます。私がこの水を飲むときは、直ぐ飲まないで我慢しながら、先ず湧き水の周囲を掃除し、さらに沢の上で作業を終えてから、きれいに澄んだ湧き水を飲みます。

 きれいな湧き水があるということは、昔から人が住んで生活できる特等地だったということだそうです。そう言えば、畑沢に縄文時代の土器と石器が出てくるのも頷けます。

 畑沢には湧き水が沢山ありますので、「私の湧き水」だけでなく、多くの湧き水を取り上げていきます。それぞれの湧き水の名前を聞いたことがありません。どうでしょうか、名前を付けてみませんか。

コメント (1)
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