エビネは、野生蘭です。山野草ブームの時には、この花が人気ものでした。ブームが去って、エビネもほっとしているでしょう。今から20年ほど前の職場で、野生蘭を趣味にしている同僚がいました。私は直ぐに感化されて、野生蘭に興味を持ちました。野生蘭の中で、最初に栽培したのがこの花です。当時、この花を畑沢の両親に見せたところ、母がこの花を知っていました。母は山で見たわけではなくて、大分前に畑沢のあるお宅の庭に植えてあったそうです。そのお宅では、畑沢の山中で見つけて、庭に植えていたそうで、キエビネと思われる別のエビネもあったようです。その頃でも、畑沢でも決してポピュラーな花ではなかったようで、めったに見られない珍しい花だったようです。我が家でも、少しだけ植えてあったような植えてなかったような話でしたが、何故か「畑沢産」というエビネがあります。比較的、丈夫な花で、雑草を刈り取っておけば、適当に増えてくれます。
昔は確かに畑沢の山中に生えていたようですが、今は全く目にしなくなったそうです。春蘭、イヌツツジ(レンゲツツジ)とともに畑沢から消えた花の一つです。理由は簡単です。悪徳な業者による乱獲です。盗採された山野草が、「園芸店」の店頭にに並びました。