背中炙り峠調査の4月24日、残雪の中に樹皮の剥けている木が点々としていました。特に畑の近くにある桐のそのような状態が目立ちます。ノウサギやカモシカによって、樹皮が食べられました。動物にとって、冬は食料が乏しく厳しい季節です。人間界でも、江戸時代の宝暦、天明、天保とそれぞれの飢饉に苦しみ、沢山の餓死者が出ました。しかし、山の動物たちにとっては、毎年の冬が飢饉状態です。柔らかい草や木の葉、栄養豊富な木の実などは殆どありません。無雪季には目もくれないような樹皮などだけです。樹皮の中でも、桐は柔らかいのでしょう。桐の独特のいやな臭いもものともせずに齧りついています。
山菜の王様格、タラの芽も御覧のとおりです。芽が丸ごと食べられました。
食べた後は、 コロコロと出てきます。おなじみ、ノウサギの糞(ふん)です。
こちらは、カモシカの糞(ふん)です。 昔は殆ど目にしなかったのですが、今ではノウサギのものよりも多く見かけます。
ノウサギもカモシカも、栄養分が高い「葛」の実はことのほか大好きなようで、葛の実があった所は、ふん、ふん、だらけでした。葛はマメ科の植物で、実(み)は大豆のように鞘に入っています。