桜咲く
美味しい国で
とも栄え
さくらさく sa ku ra sa ku(5)
おいしいくにで o i shi i ku ni de(7)
ともさかえ to mo sa ka e(5)
この句の表面上の意味は、満開の桜と花見している人々が美味しい食べ物やお酒を頂いて、ともに栄えているということだ。
しかし、私はこの句にもっと深い意味を込めた。
この国の美味しい食べ物、寿司、ラーメン、味噌汁、すき焼き、日本酒などの共通点は何かお分かりだろうか?
もう少し、詳しく言うと、寿司(su shi)の酢飯の酢、味噌汁(mi so sih ru)やラーメン(rah me n)の味噌または醤油等の共通点である。
もうお分かりになったと思う。
全て、麹などの微生物の力を借りた食品である。
この国では、梅雨時や夏の暑い時期に、カビや細菌などうようよ繁殖する。
大部分は、食品を腐敗させ人間にとっては有害である。
しかし、その中に人間にとって役立つ麹などの微生物を日本人は見出した。
微生物の力を借りると食べ物が美味しくなるということに、気づき、積極的に利用する道をゆくことにした。
例えば、縄文時代(jo u mo n ji da i:今から約16000年前~約3000年前)から食べられていたと言われる鰹節(ka tsu o bu shi)。
鰹をカビの力で変化させ、「うまみ」という美味しい味を作ることに成功した。
日本料理の味のベースと言って過言ではない。
うどん、ソバでは鰹節は欠かせない。
こうして、日本人は微生物とそれらと共存する道を選んだのだ。
共存したほうが遥かによりよく生きられるから。
美味しいし、身体の腸には、役立つ微生物をたくさん取り入れられるから。
そして多分、「腸内フローラ」(下記リンク参照)にとってもいい。
腸内フローラにいる微生物は人間の脳や身体の働きにとって役立ついい物質をたくさん放出していることが最近の研究で解明されてきている。
日本人は食べて美味しく、腸内フローラにとってもいいという二重の意味で、微生物と共存する生き方を選択し、磨き上げてきた。
それらの微生物が創り出した美味しさを頂いて美味しいのと、腸内フローラでの「人間と微生物の共存」つまり「人間と微生物のとも栄え」という二重の意味で、
桜咲く
美味しい国で
とも栄え
という句を創った。
もちろん、「とも栄え」には単に、麹などの微生物が繁栄して味噌や醤油を創り出すとともに、人間はそれら味噌や醤油を美味しく頂いて、有益な微生物と共に栄えるという意味もある。
なお、「とも栄え」という言葉は辞書にはない。
私の造語である。
「とも栄え」は、共存という意味なのだが、「ともに栄える」を短くして造語した。
和語の響きを大切にして。
今回の句でご理解いだだけるように、和語(古くからの日本語)の響きは優しい。
共存 kyo u zo n
と発音するのと
とも栄え to mo sa ka e
と発音するのとどちらが優しい響きかは、発音してみれば分かると思います。
和語の響きは同じことを言っても優しいのです。
ですから、日本のポップスでは漢語がないわけではありませんが、和語が中心に使われています。
漢語だと同音異義語が多く、誤解されやすいのと今回述べたように、響きが強いからです。
優しい曲ほど、和語が使われています。
逆に、強いことを言いたい場、主張したい場では、漢語が頻繁に使われます。
議会がその典型でしょう。
和語からすると抽象的だから、分かりづらいという「知恵」もあるようですが。
(^^;)
腸内フローラについては、下記を参照ください。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42461 こちらは、ほぼNHKの放送内容のダイジェスト。
http://www.koei-science.com/gut-flora.html こちらは、まとめてあり分かりやすい。
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