新型コロナウィルスの感染者数は、圧倒的に北海道が多い。
今回はこの事例を通して、どうすれば新型コロナウィルスの感染拡大を防止できるか考えてみた。
北海道はこの時期、セントラルヒーティングなどによって、外気を遮断した空調が行われている。
関東圏などは、比較的暖かいので、セントラヒーティングでなく、個別の部屋で暖房をしている場合が多い。
熱交換式でない、石油温風ヒーターなどは、典型である。
そのため、時々換気が必要となり、それなりに部屋の空気の交換をしている。
ところが、寒さの厳しい北海道では、ホテルや民宿などの宿泊施設ばかりでなく家庭でも、セントラルヒーティングで熱交換式の暖房のため、ほとんど換気されない。
こうした暖房環境の差が、人口では圧倒的に多い首都圏のほうが、新型コロナウィルスへの感染者が少ないという結果になって表れていると考えられる。
特に、スキー客が海外から訪れ、海外から新型コロナウィルスが宿に持ち込まれ、それがほとんど密室状態のフレンドリーな接客により、民宿等の子供たちに感染すると思われる。
年齢別死亡率から、子供は、症状がないか軽く済む場合も多くあると考えられるので、こうした子供たちの中から「スーパースプレッダー」が現れ、学校を介して、広がったことが十分想像できるのである。
その意味で、今回の北海道や政府の対応(学校を一定期間休校する)は一応評価できる。
しかし、不十分なところも多い。
子供だけでなく、大人にも存在するであろう、「スーパースプレッダー」を抑止できないのだ。
「スーパースプレッダー」や感染者を抑止するには、多くの人が利用する公共施設特にスーパーマーケット等に入場するときは、非感染者、感染者ともマスクの着用後義務付けるしかない。
なぜなら、誰が感染しているかは、誰もまったく分からないからである。
ウィルスの感染検査をしなくては、誰も分からない。
しかし、パニックになって、皆が検査しに病院へ駆け込めば、それこそクルーズ船の二の舞になる。
不十分な防疫では、新型ウィルスに簡単に感染してしまう。
したがって、最も確実な防疫は、不要な外出を避ける以外にない。
特に、クルーズ船や北海道の現在のような熱交換式のセントラルヒーティングによる「空気感染」は、現在のところ100%否定されてはいないだろう。
接触・飛沫感染だけでなく、空気感染も十分疑う必要があるのだ。
しかし、生活に必要な物資を購入するために、スーパーマーケット等で買い物しないわけにはいかない。
なので、こうした熱交換式のセントラルヒーティングをしているスーパーマーケット等の施設へやむを得ず、入るときは、
1.必要最小限度の滞在時間にとどめる
2.飛沫感染や空気感染を避けるため、必ずマスクをする
3.誰が感染しているか不明なので、マスクを着用したものだけの入場に制限する
ことが必要であろう。
特に、マスクをした場合の感染のリスク防止というより、感染した者の咳による飛沫感染を防止するという意味では、マスクは有効な対策になると考えられる。
なので、政府や北海道など地方自治体は、買い物などどうしても必要最低限な社会的活動をする人で、マスクを用意できない方たちに、優先的にマスクを頒布または配布すべきである。
しかし、冒頭から述べているように、これで100%防疫できる可能性はない。
セントラヒーティングによる室内の循環した空気による「空気感染」の可能性は、北海道の事例で否定できないからである。
だが、スーパーマーケットやホテルのような必要かつ重要な公共施設や鉄道・バス・タクシー等の公共輸送機関で、全員がマスクをすることを義務付ければ、感染のリスクをある程度以上下げることは可能だろう。
特に、感染した者の「新型コロナウィルスの空気中への放出を最低限に抑える」という意味で。