前回、プリウスのエネルギーモニターの「見える化」が明らかにしたことを書いた。
同じ1500ccの車なのに、エンジン車ではリッター10kmの燃費。
プリウスでは、リッター20kmの燃費。
プリウスのエネルギーモニターが私に明らかにしたことは、
プリウス以前は、1リッターのガソリンのうち1/2は捨てながら走っていたということだ。
そうした運転を、恐れることもなく、恥ずかしくもなく、何年も何十年も続けていたことだ。
今更気づいても手遅れだが、これまでの失敗はできるだけ早く取り戻したい。
お約束したように、エネルギーモニターの「見える化」情報をさらにiPod touchによって活用する方法を書いて、どうしたら究極の省エネ運転と安全運転につながるかを書くつもりである。
まず、下の写真を見てほしい。
燃費・回収エネルギー画面で、燃費「31.8km」と表示されているのに気づく。
これは、出発から「114km」走行してその間の平均燃費を表している。
プリウス購入以来、近距離以外はほとんど、1日の最後に燃費・回収エネルギー画面の「距離」すなわち「走行距離」と、「平均燃費」つまりその日の「最終燃費」を記録してきた。
自宅に戻ったとき、この2つをプリウス車内で記録する。
これ以外に記録したのは、「年月日」「目的地」「直前のガソリン価格」「経由地」「高速代金」などである。
iPod touchを買ってからは、アプリ「Sheet2」を使って記録した。
入力がその場でできるのが超便利なiPod touch → 情報収集に最適
iPod touchを購入する前は、ザウルスに入力していたが、本体が重くて持ち運びに不便だったので、車内でメモして、自宅に入ってさらにザウルスのエクセルに入力するという煩雑なことをしていた。
それが、iPod touchを持ち歩くようになって、車内で表計算ソフト「Sheet2」に入力してしまうので、二度手間がなくなった。
しかも、ザウルスでは絶対できなかった音楽を聞いたり、撮影したビデオを見たりということができるようになった。
(ザウルスではネットはできたし、電話も可能だった。そういう意味では世界最先端のツールであった。もちろん、カメラもついていたし、ファックスだってできた。しかし、いかんせん「まじめ」すぎた。アミューズメント機能がほとんどなかった。仕事ではとても使えたが)
iPod touchは、超小型軽量なので、「情報収集」にも、最適である。
iPod touch と「Sheet2」で様々な情報の整理、分析が可能
ザウルスの表計算ソフトは、PCとの互換がありザウルスで収集したデータは、パソコンでも分析可能だった。
だが、なかなかPCで分析する気にならなかった。
カードスロットに対応するパソコンがなくなってしまったからだ。
そこに登場したのが、iPod touch と「Sheet2」だ。
Sheet2で収集したデータが簡単にPCで分析できるようになった。
Sheet2で収集したプリウスの「年月日」「目的地」「距離」「平均燃費」「直前のガソリン価格」「経由地」「高速代金」などのデータを無線LANつまりネット経由でパソコンに取り込んだ。
これに、今までザウルスで記録した同じデータを、手入力してPCで分析できるようにした。
Sheet2は、iPod touch単体でも情報の整理はかなりできる優れものである。
しかし、データの分析となると非力だ。
パソコンの力を借りるしかない。
だが、分析するにも大切なのは、データがあるかどうかだ。
データが収集されていなければ、パソコンは何の役にも立たない。
分析するデータを手軽に集められるのは、iPod touchとSheet2があってこそ。
プリウスの「平均燃費」をiPod touchとPCで分析して見えてきたもの
プリウスの「年月日」「目的地」「距離」「平均燃費」「直前のガソリン価格」「経由地」「高速代金」などのデータのうちもっとも大切なのは、「平均燃費」だ。
これが、究極の省エネ運転と安全運転につながるからだ。
「平均燃費」を「最高値と最低値」と「平均燃費のグラフ」の2つの観点から分析してみた。
具体的には、これまでの全ての「平均燃費」のデータの最高値(リッター30km以上)と最低値(リッター22km未満)のデータをエクセルの関数を使って色分けしてマークする。
次に、全ての「平均燃費」のデータをグラフ化して傾向を分析した。
PCのエクセルは、こうした分析には絶大な力を発揮する。
1.ディーラーの営業社員が言っていたとおり、燃費は春と秋にいい。
つまり、最高値と最低値をとったり、グラフにして分析すると春と秋で、最高値を示す。
2.最低値は、冬と夏。これは、暖房や冷房で電力を消費するから燃費も悪いため。
3.最高値と最低値の差は、購入時には大きいが、省エネ運転の技術を身につけるにつれて、最高値と最低値つまり春・秋と冬・夏の差がなくなる。
4.省エネ運転に慣れていないはじめの頃は、山(燃費のいい春と秋)と谷(燃費の悪い冬と夏)の落差の大きな横に寝たS字カーブだったものが、省エネ運転の技術を身につけてくると、山と谷の落差の小さい横に寝たなだらかなS字カーブになっていく。
5.しかも、そのならだかなS字カーブは、平均燃費30kmのラインに徐々に上昇して近づいていく。
はじめの頃は、平均燃費20kmと30kmとの間を大きく蛇行していたものが。
このように燃費が上がってきたのは、燃費・回収エネルギー画面を見ながら省エネ運転を心がけてきたことはもちろんだが、それ以外にもいくつか考えられることがある。
はじめの頃に比べて、コース取りが良くなってきたことが第一に考えられる。
高速も下道も時間は大して変わらないにもかかわらず、高速を選択していたことがはじめの頃は多かった。
高速経由で行くと確かに高速の時間は速いが、高速に入るまでに渋滞してしまい、そこで燃費と時間を損失する。
このことに、気づいてから、高速を使わなければ時間がかかる長距離以外は、できる限り高速と高速のインター周辺を避けるコース取りをするようになった。
もちろん、そういうコースを選択できる場合に限るが。
結果、渋滞に巻き込まれることが減り、安定した定速走行が出来るようになった。
そのことが、平均燃費30kmへ大きく近づく運転ができるようになった大きな要因と今では考えている。
もちろん、ベースとしての「燃費・回収エネルギー画面」と「エネルギーモニター」があることは言うまでもないが。
こうした、分析が可能になったのは、プリウスの「平均燃費」のデータとそれをiPod touchの「Sheet2」で記録し、データをiPod touchでPCに簡単に橋渡しできるようになったからに他ならない。
いつでも、一緒にいる(ペットみたいだが)という携帯性のよさが、PCにデータを引き渡すハードルを下げたといってもいい。
しかも、そのデータをまたiPod touchに送り、時々眺めてはさらに燃費を上げる方法を考えていくことができる。
プリウスの「平均燃費」をiPod touchで分析して見えてきたものと言ったが、正確にはiPod touchは、PC上で分析するデータの橋渡しをしたのである。
だが、せっかく貴重なデータがありながら、今までできなかったのは、この「橋渡し」である。
「パソコン本来の性能」を発揮させるためには、iPod touchや「Sheet2」は不可欠であると言える。
同じことは、プリウスの「燃費」や「安全運転」にもiPod touchや「Sheet2」は不可欠であると言える。
やっと、エネルギーモニターの「見える化」情報をさらにiPod touchによって活用する方法を書くことができた。
究極の省エネ運転と安全運転につながる方法も書いたつもりである。
今まで、プロのドライバーが経験値として体得していたものを、客観的なデータとして明らかにし、誰にでもプロのドライバーと同じレベルになれる道をプリウス、iPod touch、「Sheet2」は開いている。
こうしたデータを簡単に集約できグラフなどに示すことが出来る「プリウス」アプリがあればさらにいいに超したことはないが・・・。
ライターから一言
今回の原稿を書きながら気づいた非常に大切なことは、データの重要性である。
データがなければ何も言うことが出来ない。
しかし、データがあれば実際に運転技術が上がっていることが、客観的に証明される。
ゴールド免許は、ペーパードライバーなら誰でもとることができる。
しかし、実際に「平均燃費30km」をとる安全なドライバー(実質を兼ね備えたゴールド免許)になることは、おそらくプリウスやアクアなどのドライバーでなければ、できないだろう。
ライターからもう一言
今回の原稿を書きながら気づいたもうひとつ大切なことがある。
それは、アクセルの踏み方である。
多分、エンジン車のアクセルの踏み方の悪い癖をずっと引きずっていたのが、エネルギーモニターによってハイブリッド車に適切な踏み方に変わっていたと思う。
このアクセルの踏み方は、ブレーキの踏み方と関係しているように思う。
このあたりは、また項を改めて書く予定である。
注
PCで分析した結果の「グラフ」や「最高値」「最低値」の分析結果は、iPod touchのSheet2に送っても表示されない。
Sheet2は、モバイル用の表計算ソフトなので、そこまで対応していないと思われる。
(多分、もっと詳しい人なら別の方法で可能となるかも知れない。必要な方は、詳しい人に聞いた方がいい)
しかし、メールの添付ファイルで送れば、グラフは表示される。
これは、結構便利である。
Office2013では、iOSにも対応するとどこかで読んだ気がする。
そうなれば、あわててSheet2を買わなくても大丈夫かもしれない。
時間の余裕のある人は。
Sheet2は、そこまでできないが、十分満足している。
モバイルでここまで出来れば、ちょっとしたデータの整理にはもってこいである。
Sheet2については、項を改めて、使い方(操作方法でなく活用例)を書きたい。
ザウルスの表計算ソフトと重複する可能性もあるが。
次回は、アプリ「ユーチューブ」についてお知らせする予定だ。