〇再び所用で熊本に来ている。新幹線さくらに乗るキイロイトリ2羽。1月に来て以来だ。って、ついこないだだった感じがするのに、なんと、もう11月だという(汗)
前回は妖怪に占領されていた熊本駅は通常モードになっていた。あいかわらずくまモンとかイラストがあちこち飾られているが。連休のせいか外国人観光客が多くて、電車乗り場前が激しく混んでいる。
「宮本武蔵探訪のお供を致します」武蔵タクシーのいる駅前。
とかいっても、例によって仕事なので目的地以外の観光などはほとんど出来ず。
今回はバス移動が多い。
「タヌキガ イル」これは九州産交バスの謎のキャラ(産太くん?)のようである(熊本といえば狸。ねずみじゃない、というw)。
ちなみに熊本市内には何種類ものバスがある。九州産交バス、熊本都市バス、熊本電鉄バス、熊本市コミュニティバス、…と路面電車の熊本市電?が一つの道路を走っているので、外来者には???混在感というか、混沌としたオリジナリティが感じられて凄い(仙台市内の例でいうと仙台市営バスと宮城交通バスの混在以上に、種類が多くてどれがどれだか。とにかく目的地に行くのが来たら、それに乗る・爆)。そしてnimocaやSuicaの類は、路面電車では使えるが、バスでは使えない(2015年11月現在。来年あたりに片利用方式になるらしい話)。
そこで今回利用したのが、「熊本地域振興カード」というものである。
今月入手したカード(3つ)と、日頃使ってるSUGOCA(JR九州)を並べてみた(※例によってたれぱんだやむすび丸やカツオ人間は大きさ比較)
(右上)でんでんnimoca :熊本市電や交通局で買えるnimoca。(基本は西鉄の)
(左上)熊本地域振興カード(通称、くまモンのICカード):熊本地域、県内の全バスで使えるらしい。熊本電鉄や熊本市電も乗れる。だがJRは乗れない。
(左下)ことでんのIruCa :香川県のことでん(琴平鉄道)のバスや電車で使える。だがJRは乗れない。※ちなみに高松市に近い周辺までのJRはICOCAやSuica使用可
つまり、くまモンICカードとかIruCaは、新潟のりゅーとカードと同様の「地域型」サービスのカードということになる。でんでんnimocaやSUGOCAはSuicaと同様「相互型」全国相互利用方式のカードである。
少し前に全国相互利用方式が始まりだした頃は便利に思い、nimocaやSUGOCAで新潟交通のバスに乗れる新潟に帰った時に、やはりりゅーとカードは福岡じゃ使えないんだなあ、と思ったりしたものだ。
だが、今年改めてIruCaやくまモンICカードを使ってみて、りゅーとも含めて、こういう「地域型」の「ご当地振興」コンセプトの要求ってのもあるんだな、と思い直した。くまモンICカードは「熊本ならでは」、ことちゃんのIruCaは「香川ならでは」のカードなのだ。りゅーとも新潟ならではと考えれば。この手のカードは「その場所で乗ったり買ったりして使ってくれ」というものだから、観光や出張などで来た県外からの訪問者も、旅行記念で持ち帰ってただ保存というよりも「使ってこそ」で、その街の滞在時にとにかく使うことになる。ご当地感が強い。その分、地元独自のポイントサービスの高さや、乗り継ぎ割引サービスやキャラデザインなどの稀少さ(※ことちゃんもかわいい)も伴った、地域の商品券的なところがあって、地元の人の生活感覚の高いカードのようだ。考えてみると、かつての磁気バスカードのオリジナリティをデザインに残したICカード、という感じなのかもしれない。
そう考えると相互型は無国籍大企業グローバリズムに通じる感じもあり、便利なようでいて、地域の商店街的個性の良さを奪ってしまうところもあるというわけか。地域型が求められる考え方について、今月の各地の旅で改めて知ったように思う。日本だって、つい150年前くらいまでは充分「国々」だったし、そういう価値の見出し方もあるだろう。
とりあえず、でんでんnimocaは「機能は相互型にしてデザインは地域型的」ではあるので、(福岡でも使えるし)入手してみたかった。ともかく熊本の人は、日常的に購入できるこのご当地的オリジナルデザインの2枚のカードを持っていると、JRもバスも電車も制することができ、かつ地域独自サービス&日本全国相互サービスの両方の便利さが得られる、ということらしい。そのへんに、ちょっとした地域文化的な矜持というか、こだわりのようなものがあるのかな?と思うと、面白いような気がする。
…そういえば、あの磁気カードの「牙城」仙台も、ついに「icsca」カードというのが始まったと聞く。多分性格的に地域型だろうと思われる、熊本的に。
(「肥後椿」のマンホール:熊本市内)
移動中のBGM:
Third Wind / Pat Metheny Group (「Still Life (Talking)」)
やっぱり電車やバスに乗ってる時の気分というとパット・メセニーかな。(20151122)