『 同調圧力 』という本を読みました。
望月依塑子、前川喜平、マーティン・ファクラーの三氏による本です。
前川氏は元文部省次官でしたし、東京新聞の望月記者の本は『新聞記者』など読んだことがありましたので、思わず手に取りました。
内容は、
第一章 記者の同調圧力
1 質問を妨げられる記者会見
2 記者の存在意義とは
3 同調圧力に屈しない人々
第二章 組織と教育現場の同調圧力
1 「何もしない」という同調圧力
2 道徳教育が生み出す同調圧力
3 真に自由な人間に同調圧力は無力である
第三章 メディアの同調圧力
1 アメリカの報道はスクープ報道から調査報道へ
2 日本メディアに危機感がない理由
3 信頼できるメディアが道しるべに
座談会 同調圧力から抜け出すには
多くの事実を学べる内容でしたが、第一章では「記者クラブ」の弊害が印象的でした。その存在は、ゼネコンのカルテルのように映りました。
第二章では権力が侵してはならない「教育」に、いかに国が干渉しているかがわかります。
第三章では日本のマスコミの脆弱さが際立っており、アクセス・ジャーナリズムに傾倒しすぎて政権の広報になっているという指摘が辛いものでした。
以前にも書いた石橋湛山蔵相の覚悟が今のマスコミに必要だと改めて感じました。
そして、新聞以上にテレビに対する同調圧力が大きいこともわかりました。
読み終わってふと思ったことは、『あの葬儀は本当に国葬で良かったのか?』ということでした。
日本の今を考える上で、大切なことに気づかせてくれる一冊だと思いました。
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