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文学や史跡で登場するマチを旅しながら、折々、紹介することを心がけています。

瀬戸内寂聴著『老いを照らす』

2013年12月19日 08時22分45秒 | 書評
瀬戸内寂聴著『老いを照らす』 出版記念の講演を出版したもののようだ。
 「老いと向き合う」「祈りの力」「老いのかたち」「世情に抗する」の四章で、構成。

「老いと向き合う」には、
 「新しいことに挑戦すること、おしゃれや恋をわすれないこと」(46p)。
「祈りの力」のむすび。
 死は恐ろしくないと、言いたいか。「向こう岸へ着いたら、ご主人、恋人、ご両親、ご友人たち、もうみなさんが岸辺で待っていてくれて」(154p)。「倶会一処」ということらしい。
「老いのかたち」は
 釈迦の入滅直前の語が引用される(194p)。

「世情に抗する」で、二か所。
「世のため人のため、長い間働いた人たちに、国が報いるというのが介護保険制度の趣旨。それを民間任せにしていては、不正や悪用がはびこるのはあたりまえでしょう」(199p)。
「働けなくなった老人を、壊れた機械を捨てるようにうち捨てるのは、商業主義と利己主義に毒された社会の病の表れだと思います」(200p)。
 
文明の発達が、教育が悪いと、筆者は述べる。
釈迦の智慧を「命をたいせつにする」「見えないものも尊重する」と、解釈。わかりよいのかも。 出版記念の講演を出版したもののようだ。
コメント
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