pacific0035'写真BBS

文学や史跡で登場するマチを旅しながら、折々、紹介することを心がけています。

一つの流れに三つの表情 尾幌川

2020年06月29日 17時53分40秒 | 記録
尾幌川は三つの表情をもつ。そこを称して「一流に三つの流れ」と申すべきや。

 釧路郡と厚岸郡の郡界ちかくに源流部をもつ尾幌川。一筋の川ながら、実に三つの表情をもつ。

 1)に「源流部から尾幌分水を経て厚岸湾に注ぐ」領域)(緑実線)。
2)として「尾幌分水の分岐点から一支流=オッポロペツ川合流点」(緑破線)
=廃川・貯まり水=古川となっている領域です。図で緑色の破線で表現した区域。 3)は「オッポロペツ川合流点から別寒辺牛湿原を経て厚岸湖に注ぐ河口」(青実線)。

 なぜ、そうなるや。
 上流部は公有林、民有林におおわれる山林地域。

 中流部が広域の泥炭湿地。ために南に下る流路は、泥炭湿地で流れを北に迂回する。
 その迂回地点で、尾幌分水が開削された。ために、人工水路を経て厚岸湾にそそいで一流が終わる。
 分水路を開く前の旧河道は廃川・貯まり水=古川となって、流路を残す。第二の表情。

 そして、門静、大田宏陽を経て別寒辺牛湿原から厚岸湖にそそぐ第三の流路。
 変化に富む地形と洪水防止の働きかけが、「一流に三つの流れ」を生み出している。
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サルシナイ 芦の生えている沢 釧路市城山の旧地名

2020年06月24日 06時08分57秒 | 記録
 サルシナイ 芦の生えている沢 釧路市城山の旧地名。

 原名はサルウシナイで、サルウシは芦の生えている処、ナイは沢で、即ち「芦の生えている沢」ということで、現在の市営球場の下から鶴ヶ岱公園、江南高校付近一帯は、むかしは芦の生えていた沢であったといわれる。

 サルシプト。
 サルウシプトのつまった地名で、サルウシは芦の生えている処、プトは河口で、前記「サルシナイ」の中を流れている川の口をいったものである。いまの城山郵便局の脇を流れて、釧路川に注ぐ小川の出口に名づけられた地名である。
(渡辺茂著『釧路市史』 釧路市 1957年 26ー27頁)
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父の無念死。子もその出稼ぎ地に シベツ巳之助回向願

2020年06月21日 13時35分04秒 | 記録
 父の無念死。子もその出稼ぎ地に シベツ巳之助回向願

 天保9年5月2日、国泰寺六世住職の元に一つの書簡が届く。

 差出人は標津在住の巳之助。
 「親父於クナシリ島蝦夷乱の節、横死当五月八日五拾年付回向願来」。

 寛政元=1789年5月7日、クナシリ島でアイヌ民族が戦いを挑んだ。
 本州側の出稼ぎ者、本州側へ蝦夷地産物を輸送する乗組員に多数の犠牲者を出す。

 巳之助の書面にある。
 親父がクナシリ島でアイヌ民族が戦いを挑んだとき、父は犠牲となった。
 来る5月8日は50回忌の祥当にあたる。
 (今、自分は父同様、こんどは対岸のシベツ川河口で働くも)50回忌にあたり父の菩提を弔って。

 18世紀末。
 根室、国後、択捉は天下の大場所。多額の請負金額が設定され、富裕な経済投資対象地に位置づけられていた。
 そこに二世の自分も働く。その因縁を思い馳せつつ、父の没後49年を考える。

 働きのなかから回向料。添えられてあった。
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列島最後 桜開花の千秋楽

2020年06月15日 19時39分47秒 | 季節
 列島 千秋楽の桜。今年は5月中に開花。クシロヤエ。

 樹木としては平凡ながらも、蕾=ツボミ、花弁、色合いの重厚感は<千秋楽、むすびの一輪>。

 品種登録は1981年 5月 27日であると。登録品種の育成をした者=稲澤六郎氏。
 
 釧路市鶴ヶ岱の鶴ヶ岱=つるがだい公園の近くに所在地。「品種登録の有効期限」ということも素人にはいささか解せないが。

 風のぬくもり。気温のなごやかさ。夏のかおりに包まれて、風になびくクシロヤエの容姿
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夕映え阿寒岳 北海道東部200612

2020年06月14日 17時16分35秒 | 景観
夕映え阿寒岳 北海道東部200612

 年でいちばん昼の時間がながい夏至直前の季節。夕映えが長い時間をかけて鮮やかさをます北の空。

 晴れた日もあれば、かすむ日もある北国の夏。

 暮れなずむ空に光彩、つかのまの夕映え。シルエットの阿寒富士、雌阿寒岳、雄阿寒岳。

 マチ中は闇におおわれ、家並みの灯が点る。闇、照明、夕映え、紺の空。その多彩さを楽しめる北国の夏至、間近。

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