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文学や史跡で登場するマチを旅しながら、折々、紹介することを心がけています。

「まずは避難」が不文律 山下文男著『津波てんでんこ」

2016年04月04日 08時09分49秒 | 書評



「まずは避難」が、不文律 山下文男『津波てんでんこ」 

 6件の津波被災を、章ごとに取り上げる。
 第6章で1960年の「チリ地震津波」を「地球の裏側から遥遥 昭和のチリ津波(1960年5月23~24日)」(p157-169)をあてる。

 主題はエピローグで示されている。そう、言えよう。
 「三陸だけが『宿命的津波海岸』ではない」。「世界でも一、二を分ける津波の国」「体験の風化は恐ろしい」などをまとめて、「自分の命は自分で守る」と、主張点は明確。

 題名『津波でんでんこ』の「てんでんこ」。
 著者は「てんでん」「てんでんばらばら」の末尾に、「こ」をつけた「地域語」と。
 津波が予知されたら、「各自めいめい」「てんでんバラバラに」。
 それがたとえ親子であろうと、知人であろうと、「津波のときはお互い問わず語らずの了解のうえで」と、解説(231p)。

 緊迫感のうえに、永年の伝統が生んだ一語と示す。(新日本出版社 2008年)
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