豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

別版「奇妙な絵の本」の豆本

2010年08月22日 | 豆本
   

 以前書いた「奇妙な絵の本」には先行の別版があって、当初それ一冊だったのが、増補改訂新版の三冊本になった。
 別版は、アルチンボルドと国芳の作品だけだったのだが、国芳の後半三作品をカットしてエッシャーなどと入れ替えたのである。カットした国芳の絵は、奇妙な絵というより、面白い絵 愉快な画ということだったからでもある。
 三作品は「金魚尽くし」「福禄寿頭の戯れ」「開談百気夜行」でまったくの漫画である。
特に三つ目は「怪談百鬼夜行」のもじりということで、さては!! と気がつかれた人は物知りな方である。作者も「一妙開程芳」ということで、これが歌川国芳の別名であるのだから決定的であろう。
 今回豆本ブログ百回記念の無礼講のお許しをいただいて三点並べる。順に「牛の時参り まら人形を打つ」「四つ目小僧」「玉(ぎょく)門」。

   

 漫画や洒落の解説ぐらい野暮なことはないが、いずれも男女性器が擬人化・戯画化されており、タイトルがまたそれぞれにやりとさせる。最初はヘアふり乱した女性(器)がマラ(わら)人形に五寸釘を打ちこむ図、二番目が分りにくいと思うが、江戸の人にとって「四つ目」といえば、両国にあった「四つ目屋」という、性に関した器具薬品などを扱う店であり、手にしている紐状の物はたぶん「肥後ずいき」だというのは、周知のことだつただろう。三番目の「獄門首」ならぬ「玉門ツビ」を拝むのは、関係のあった男か。
 これらを割愛するのは惜しいので、別版として残してある。

 


 
コメント
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