最初の絵、葡萄の枠の中で牛の首と糸を手にしたこの美女は誰だろうか。
三枚とも同一の人物であるが、最初の絵だけで、人物を特定できる人はギリシャ・ローマの神話に詳しい人である。
さらに中央の女性の手にある星の冠や沖の船を見送る右の絵の絵の意味も承知のはずである。
作者不詳 Unterberger Mezzotint Martin Archer Shee
◎ 下の絵は複数の場面を一つの画の中に纏めて表現している絵であるが、右端の迷路(迷宮)まで観れば気がつかれた人もいるだろう、さようこの女性はクレタの王女アリアドネである。アリアドネは、のちにアテネの王となる英雄テセウスの物語に登場してくる。
当ブログは絵画鑑賞がメインなので、場面ごとの絵を順に並べて物語の展開を簡単にたどってみよう。
Cassoni Campana
◎ アテネの王子テセウスはクレタの迷宮内の牛頭人身の怪物ミノタウロス退治を志願してクレタにわたり、クレタの王女アリアドネと恋仲になる。
アリアドネは自分を妻にするという条件でテセウスに剣と赤い糸鞠を与え、迷宮へと案内する。糸は入り口に結んで奥へと入り、その糸の道標を辿って帰るためのものである。
首尾よく怪物をしとめたテセウスはアリアドネを連れてクレタを後にする。
作者不詳 Edward Burne-Jones
作者不詳 Johann Heinrich Tischbein Willem Strijcker
Pelagius Palagi 背後の女性は妹のPhaedraとする絵もある。 Bertalan Szekely Von Adamos
Jean-Baptiste Regnault Richard Westall
作者不詳 三点
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