タッソの叙事詩「エルサレムの解放」には、「アルミーダ・リナルド」の他にもう一つの恋物語があってこちらも多くの画家が作品を残している。 また音楽ではモンテベルディがマドリガルとして作曲している。
イスラムの女戦士クロリンダと十字軍の戦士タンクレィドのこれまた敵同士の恋に、イスラム側の王女エルミニアの絡む話であるが、こちらも最後にヒロイン二人が改宗するキリスト教側の勝利になっている。
細かいことは端折って、流れに沿った絵の説明を簡単にするにとどめる。
◎ 無実の恋人が処刑されるところをクロリンダが救う場面である。
Eugene Delacroix Paolo de Matteis
◎ 敵対する二人であるが、お互いに愛し合うようになる。
Torquato Tasso Paolo Domenico Finoglia
◎ ところが十字軍に夜襲を仕掛けたクロリンダをタンクレィドが、彼女と知らず傷を負わせてしまう。
作者不詳 3点 時計のケース
◎ 相手がクロリンダと知って驚くが、死にかけたクロリンダはキリスト教に改宗することを願う。
Sisto Badalocchio Louis-Jean-Francois Lagrenee
ヘルメットに汲んだ水で最期のクロリンダに洗礼を施すタンクレィド。この場面の作品が数多くある。
Domenico Tintoretto 作者不詳
Michele Desubleo G. Antonio Baruffaldi
◎ 一方王女エルミニアはクロリンダの甲冑を盗んでタンクレィドの後を追うが、キリスト教側にクロリンダと間違えられ森の中に逃げて羊飼いに助けられる。その後彼女は改宗する。
ある時、宿敵と決闘して傷ついたタンクレィドを発見し献身的に介抱する。この場面の作品も多い。
なお、最初の作品では武装しているが、この時点での武装は話の筋としては不自然であろう。
Giovanni Antonio Guardi Guercino
Torquato Tasso Creator Ludovico Lana
プッサンの画像は不鮮明だがエルミニアが刀で髪の毛を切っている場面で、次はその髪の毛で止血している場面である。
Nicolas Poussin Michele Desubleo
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