豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

磯田湖龍斎 風流畧源氏

2024年11月28日 | 今日の美女
 畧は「やつし」と読んで、浮世絵ではパロディーものである。つまり平安貴族社会の物語を卑近な江戸町人の姿で描いたものと言うことになる。ところが浮世絵には同じような作品に「見立伊勢物語」というように「見立」という語もよくつかわれる。「畧」と「見立」の違いには専門家の難しい研究議論があるようだが、例えば赤穂浪士が町人姿になっても本質は侍であることには変りなく「町人姿に身をヤツシ」で、個人的判断、私的推量に依って示される事柄が見立で、それが事実か本質的なものか否かは問わない。だから「見立通り、見立違い」もあって、絵師が「伊勢物語」を平安風に描こうが江戸風にしようがさしつかえないということになる。むしろ違うものを敢えて別の物とみなす、例えば藁人形を親の敵にみなして稽古するようなのが見立てではないか。
 さてそれはともかく今回の作品、当然54 点は有ったと思われるが、掲載の13点のみしか見当たらなかった。

  

  

  

  


 

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