以前に作った「88の聖母子 正・続」に次ぐ第三弾の最新作である。
正続で割愛した作品と刊行後に集まった作品百数十点から選んだ100点と、テラコッタ(焼き物のレリーフ)4点を加えた作品集である。
この豆本正・続・拾遺三部に収められた総数は280点ということになるが、これだけの聖母子が一堂に会した作品集も少ない(無い)のではないかと思っている。
尤も、これが販売目的の出版だとまずそんなに売れる内容とは思えないし、価格もかなり高額になるだろうからますます売れず、豆本・普通の本ともに採算がとれない。
まあ、趣味の豆本だから出来たようなものだから、自慢にもならない。
上掲の右は、ヘロデ王の迫害でエジプトへ逃れる聖母子とヨセフを、ヘロデに虐殺された幼児たちの霊が取り囲んでともに逃げてゆくという聖母子像の中では珍しい作品(19,20世紀)と、左はテラコッタである。これは素焼きのものだろうが、釉薬をかけて彩色されたテラコッタもあり、この作品は14,5世紀のものである。