豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

中国四大美女 二 王昭君

2012年02月27日 | 今日の美女
 (王)昭君は紀元前一世紀、前漢元帝時代の人である。
 元帝は北方異民族・匈奴との和睦のために、後宮の女性を匈奴王に嫁がせようとする。元帝は後宮にいる女性の絵姿からから一番醜い王昭君を選ぶ。後宮の女性たちは絵師に賄賂を渡し実際よりも美しく描かせていたのだったが、昭君だけは賄賂を与えなかったため、その絵姿は最高の美女昭君を醜く描いたものであった。別れの謁見で初めて実際の彼女を見た元帝は後悔したが「綸言汗のごとし」で決定は覆せなかった。
 かくして城を出て北方へ向かう途中で愛用の楽器を奏でると、そのあまりの悲痛な音色を聞いた空飛ぶ雁が飛ぶことを忘れ地に落ちたという。そこで昭君のことを「落雁美人」と称する。そして「昭君出塞」「昭君操琴」という画題で、楽器を抱きフード付きの赤い毛皮のマント姿で雪中にたたずむ構図がほとんどであるが、中国では四人の美女のうち一番人気があるらしく、昭君の絵だけで古代風・当世風でざっと百を越える数が手元に集まっている。やはり、故国を後に遠い異国異民族に輿入れさせられる彼女の心細く悲痛な心情は、画題とするには最も適しているということだろうか。

  蕭玉田                         陳彦娥
  





  


 ところで下二枚は似たような画だが、左は楽器を持っているので昭君、右は既述の紅楼夢の「宝琴・踏雪尋梅」である。
 





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