Juno & Callisto

　最高神ジュピターの愛を受けたカリストは幸せな生涯を送っただろうか。
　ジュピターにはジュノーという嫉妬深いカミさんがいて、今回も旦那の浮気に怒り心頭、カリストの髪を掴んで引き倒し打ちすえて熊に変えてしまうのである。
　絵では頭または腕がすでに熊になっているものもある。なお、画中の孔雀はジュノーの聖鳥で乗り物を牽かせる。　

　　


　　







　既出のダイアナ姿で愛を語る場面だが　すでに今回の場面も描かれている、


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　出産後の変身
　　

◎　こうして何年かが過ぎたある日カリストは狩人の若者に出遭う。それは成人した我が子であったので、思わず掻き抱こうと両腕を前に差し出して近付くと息子の方は熊が襲いかかってくると思い・・・、
　このあたりの話を絵にしてあるのが下の何枚かの絵である。これらにも上の方に別の場面が描かれているが、狩人が逃げているのと逆に熊が逃げている二つがある。
　どちらにしてもこの場面を憐れんだジュピターが手を差し伸べて二人を取り上げ、大熊・小熊の星座としたのであった。












　　

◎　後日談　　ジュノーはそれが気に食わず、海の神のところへ来て二つの星座が水平線下に入って休むことのできないようにしてしまったという、女の執念の恐ろしい話。



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