旧暦、新暦(12月14日、1月30日)はともかく数年前まで今頃は
忠臣蔵を見ずにクリスマスや年を越す気にはなれませんでした。
もっと以前は時代劇ばかりでなく日本映画を
観ませんでした。中でも社長シリーズなんて
絶対に観まいと思っていました。
小津安二郎や黒澤映画以外は観なかったように
思います。数年前に退屈凌ぎに社長シリーズをTVで
なんとなく観てから父達の時代をのぞき見たような気に
なりました。ああ、そんな事も許された時代なのかな
なんて思ったものです。
忠臣蔵は長谷川一夫が一番かも知れないと思っているけど
10年以内には観た記憶がないので確信は持てずにいます。
なにしろNHKの赤穂浪士が放映されたのは東京オリンピックの
頃でしたからね。吉良上野介は名優滝沢修だったそうです。
余談ですが俳優の山形勲さんは当時の時代劇では敵役、悪役が多く
彼が斬られないと映画が終わった気になれませんでした。
悪役の人達が中年以降に脇役の善い人等演じると不器用な
二枚目など問題にならぬほど魅力的だと思います。
大石内蔵助の何処を見るかは
一番は「南部坂雪の別れ」史実ではないそうですが仇討ではなくて
仕官するので瑤泉院に別れの挨拶に来たと言いながら
「仇討を忘れたのか!」と罵倒されても間者の気配にシラをきり通す目と姿。
そして「大石東下り」で別人に成りすました大石が本人と出っくわす場面。
大石の白紙を本人が詫びながら本物を使うよう手渡す場面に
意気を感じてしまうのです。二枚目の主役に対して本人役は
柄本明や西田敏行の強気が一転する演技が印象に残ってます。
酒好きの赤垣源蔵が留守の兄の羽織を前に泣きながら
別れを告げる場面も好きなんです。会えなかった兄は仇討終えた
浪士の列に弟がいるか侍女に確認するよう言うのですが
源蔵役はあおい輝彦がよかった。
娘婿に「仇討はしない」と言われガックリした父親が
仇討の朝に赤穂浪士の中に婿がいないか確認する姿の
有島一郎が好き。
赤穂浪士の敵役ではありますが
清水一学や米沢藩の千坂兵部も好きですし、
吉良邸の隣家が塀際に堤燈をかざし明るくする場面も
事実とは違うかも知れませんが欠かせないと思っています。
まあ、そんな訳でか僕は赤穂の天然塩を昔から使ってるんです。