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PAP-JAPAN代表、川井眞理のお仕事(以外もてんこ盛り)日誌

進路に悩む大学院生たち

2006-10-16 | 勉強
実に2年ぶりぐらいで大学へ行きました。
何を隠そう、私メ、実は現役の女子大生もやっているのですが、一昨年、昨年と仕事の追込みやら引越しやらにぶつかって修士論文を書くのをサボってしまったため、今年が崖っぷち。
内容レベルはともかく、何か書いて出さないと絶対まずい状況になったので、教授に泣きついてアドバイスをもらおうと殊勝な?心がけで出かけたのでした。

面談中、偶然大学別科で学ぶ中国人留学生が(留学生課かどこかで紹介を受け)教授のところへ進路相談にやってきました。
目指す職業はビジネス翻訳か通訳。
現在、彼女は日本語と英語が出来、日本語は検定試験1級で400点満点中330~340点をキープする実力らしい。
控えめで大人しそうですが、大変優秀な学生さんのようです。

相談の内容は数日後に大学院受験の申込み締切りを控え、「私は経済の院を希望しているが、どうだろうか?」というものでした。
私にはなりたい職業がはっきり決まっていて、それが大学やらで教師をするというような内容でない限り、院に行って゛研究゛しているよりも専門学校で実践力を鍛えるか、院に行くにしても語学系の方がいいのではないかと思えました。
また年齢が20代と若いので企業に就職して実力をつけ、アフターファイブにどこかへ通ってさらにブラッシュアップする道を選ぶのも無理がなさそうです。
(彼女が大阪在住の学生さんなら紹介してあげたいヒントになりそうな人や機関は色々あるのに残念です)

大学教授には珍しく一般社会の事情に精通しているI先生も私と同様のことを思われたらしく、大学院の経営学研究科や経済学研究科について説明したあと(←これは私には出来ません)、上記のようなことをひと通り話し、彼女にさらにキャリア相談室(という名称だったか?要するに昔の就職課)を紹介されたのでした。

最終的に決めるのは本人なので、押しつけがましい口調にならないよう細心の注意を払いながら少しだけ話に加わった私。
これはまさしくキャリア相談の場面です。

その後の教授との話で、以前から私が感じていた通り、大学院に進学する20代後半から30代前半の女性は皆自分の進路に悩み、何か突破口の開けることを期待して院に進学するケースが非常に多いことがわかりました。
仕事と自分の将来に一番悩みの生じる年頃ですから、大枚をはたいて院に行くことで現状を突き抜けたい、あるいは少しでも就職に有利になりたい、というのが動機なのです。

結婚に悩む年頃でもあります。
研究活動を含む仕事において、実は女性にはやはり男性に比べてハンディがあります。
夫や子どもが、女性が仕事に一番打ち込める時期を真っ向から邪魔するのです。
実際、私の知っている3人の院生が在学中または卒業直後に結婚・出産し、傍目にはキャリアを中断してしまっているように見えます。

結婚、特に出産はこの年齢の女性にとって本能のようなところがあり、だから悪いとは言い切れませんが、少なくとも女性のキャリアは男性のようにまっすぐな線では築きにくいのです。
男性にはわかりにくい女性特有の世界です。

子育て支援まではせずとも、こういう悩みを持つ女性が気軽に相談できるセンターのようなものがあれば、(自分の将来像をある程度イメージ出来た)彼女たちは安心して研究や仕事を続けることが出来、たとえいったん辞めることになっても(その間に何を準備しておけば良いかがわかるから)心安らかに主婦の日々を送ることが出来るでしょう。

ひいてはそれが、このところ政府の一番の悩みになっている少子化対策にもなるのではないかと思ったことでした。