のほほん自転車日記

早く走るより、回りの景色をみながらのんびりゆっくり。
自分の人生も介護ものほほんと…

施設見学と花見

2012-04-07 21:40:46 | おでかけ(豊田市内)

今まで、道路からしか見ることがなかった少年院の桜を見に行ってきました。

今年は地域に理解してもらおうということもあって、施設内の一部開放と説明がありました。

当然のことですが、カメラ撮影は、もちろん携帯も。

開けられた門を入っていくと、かなり奥の方まで桜がたくさん植えられていました。

桜の方は、ほとんどが2~3分咲き?といった具合で、たぶん明日以降暖かくなりそうなので2、3日後には満開になるのかもしれません。

きっときれいでしょうね。

さて、ここ愛知少年院はもともとが旧海軍名古屋航空隊基地で神風特攻隊(草なぎ隊)が沖縄に向けて出撃した場所でもあります。

(すぐ近くに草なぎ特攻隊の碑があります)

そのため少年院がある浄水町の道路は滑走路の名残があり、見晴らしのよい直線となっています。とはいえ、最近は開発されて建物が多くなっているので見晴らしがよいとはいえないのかもしれませんが。

そういうわけですから、桜もそのときからあったでしょうから、これを見て旅立っていった若者たちも多くいたのでしょう。

以前、保見交流館でこの地であった戦争についての講座があったのですが、そのときにいただいた資料に特攻隊として旅立っていった若者の遺書が一緒に載っていたのを思い出しました。

ほんのちょっと抜粋して(きけわだつみの声ー日本戦没学生の手記ー)

はっきり言うが俺は好きで死ぬんじゃない。何の心に残る所なく死ぬんじゃない。国の前途が心配でたまらない。いや、それより父上、母上、そして君たちの前途が心配だ。心配で心配でたまらない。 

(中略) 

散れよ散れよ桜の花よ、俺が散るのにお前だけ咲くとは一体どういうわけだ。

この桜を見て旅立った若者たちと、時代を越えいまは愛知少年院の中で桜を見る若者たち。

もしかしたらどこよりも重く、そして美しさを持った桜なのかもしれません。

そんな桜をみながら、施設内の一部を見学し、視聴覚室でスライドを見ながら説明を聞きました。

 

しおりがあったのでもらってきました

愛知少年院は、中等(16歳以上)、長期、特別(犯罪傾向が進んでいる)少年院ということですが、現在定員の7割程度が入っているそうです。

刑務所と違って少年院は矯正教育を受ける場所ということなので、プログラムも今まで受けてきた学校教育で抜け落ちた部分をフォローし、さらに個別に被害者理解を深め、また情操教育として動物セラピーで命の尊さを学ぶなどをしているそうです。

実際に外で動物が飼われてましたね。

他にも今は結果をすぐに求める傾向があるため、陶芸、和紙工芸等を通して、そのプロセスに重点をおくことで、長期に渡って努力することを身に着けることを目的として作品を作りあげているという話があったのですが実際に出来上がった作品をみると、確かに根気よく作り上げたんだなというのが伝わってくるものでした。

そして、行事として保護者も参加する運動会を催し、そこで一緒に競技参加したり昼食を食べたりしてもらう機会を設けることで、今まで少なかった親との交流を増やしてもらおうということも試みているようです。

そんな話をしたり、入浴は週2回とか、食事は1日500円なので、野菜作りをして足りないところを補っているとか、とにかくほかにもいろいろなことを説明してくれたのですが、わたしが以前と比べて変わったなと思ったのは、地域に理解をしてもらおうという姿勢でしょうか。

そういえば、交流館祭りのときも、今までにはしてなかった野菜販売をいたり、パネル展示もしてますからね。

所長さんの思いでそうなったのかわかりませんが、少なくとも地域にある施設なのですから、こうやって理解してもらうことは必要なことだと本当に思います。

来年もこのような形での桜並木の公開がされるかわかりませんが、できれば継続していってほしいものです。

コメント (4)
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