三丁目の飛行機屋

飛行機マニアのオヤジが
撮影遠征記やマル秘コレクションの公開などをしていきます。

領空侵犯? と聞き

2024年09月30日 | エア・タトゥーの思い出
今月の23日に報道された、北海道でのロシア機による領空侵犯 事案

今までは、南の尖閣周辺の領海侵入ばかりに気をとられていたけど
北と南の同時連携の有事も、当然考えられることと印象つけられた雰囲気

今回の侵犯機は対潜哨戒機ということで
飛行コースを間違ったら、哨戒任務など成り立たないわけで
航跡も後日公表されると、わざわざ沿岸での哨戒パターン飛行を継続となれば
飛行計画自体が領空侵犯も目的だったとうかがえる


 と、前置きはこのくらいで

今回の領空侵犯をしたロシア海軍の対潜哨戒機 IL-38
こいつを昔、この目で見た 撮った記憶が

1996年に英国で行われた RIAT (ロイヤル・インターナショナル・エア・タツー)
世界最大の軍用機による航空ショーでは、開催年毎にテーマが決められており
この年は 「SEA SEARCH」 がテーマの一つになっていた


そのテーマに合わせ、ロシアはこの対潜哨戒機 を投入してきた
この時の IL-38 は、 NATO圏の基地に着陸した初めての機体でもあった


早朝の展示エリアで、バルーンを背景に目立つ IL-38 をフォトバス上階から
背後には米空軍の B-52 爆撃機も展示されているのがわかる


 領空侵犯と聞き、思い出したのは
 37年前の沖縄上空で起きた、ロシア機による領空侵犯 事案
 なんと、沖縄本島上空を大胆に横切るという侵犯機に対し
 空自史上初めての、実弾警告射撃が実施された

 後日の報道では、強制着陸や亡命対処の準備もされ
 那覇基地の空自隊員に 小銃と実弾も配布と~ 


 今回の事案では、実弾よる警告射撃ではなく
 空自機から初めて、警告の為に「フレアー」が発射されたという
 報道ではフレアーを「火炎弾」などと言われると
 物騒な、いかにも危険物と思われそうだが
 対空赤外線探知ミサイル等に対する欺瞞用の発光熱源で

 日本の航空ショーでは、過去の使用は数えるほどだが
 欧米では観客への視覚効果を狙い、頻繁に使われている
 映え するアイテムは、日本の航空イベントでも是非使って欲しいと思うのだが
 検索するのも面倒の方に 動画を置いておきます

 スイスの実弾射撃場でもある、山岳地域で行われる航空ショーで
 片道3時間ほどの本格登山が必要な航空ショーなんて なかなかないぜ
 自分も行って見たいと思っているショーなんだが、体力も財力もないけどね(笑  
AXALP 2023 F/A-18 extreme Action 🇨🇭 4K Swiss Air Force Airshow
 Zurich Action より

 フレアー焚きまくりは、AXALPエアショー に勝るものはないかも 
 ただフレアーって好天や昼間は、周囲が明るくて目立たないんだよね


少々道草しましたが、展示されてた IL-38 にもどり


外観は米軍や自衛隊の対潜哨戒である P-3 にも似てるが
ベースとなった機体は、イリューシンの民間旅客機 IL-18 
米軍等の P-3 も ベースは、同じく旅客機の4発ターボプロップ  ロッキード・エレクトラ機だが
機体の大きさは、IL-38 の方がひと回りデカイ

コックピット後ろに貼られた丸いステッカーは、初飛来ということで
スタッフから歓迎の意味で貼り付けられた、RIAT1996 のステッカー


機体全体が緑がかったグレーで、プロペラブレードは表も裏もロシアンブルー
タイヤホイールはオリーブグリーンなんて、当たり前だけど~ いかにもロシア軍機
西側の P-3 と同じく、今現在でも現役で運用されている対潜哨戒機なんだと領空侵犯で知る




ロシア海軍 イリューシン IL-38 (NATOコードネームは メイ) RA-54621
 所属は 22 red オストロフ トレーニングベース

尾部の長い尖がりは 潜水艦を磁気探知するための MAD で
対潜水艦任務の航空機には、東西両陣営機に共通の装備



この1996年当時は、西側の航空ショーにも積極的に参加していたロシアだったが
その後はしだいに影を潜めていき、ウクライナやチェコ等の東欧諸国のロシア製機のみになっていった

それでも今日のような、不安定な世界情勢になるとは微塵も考えなかった
平和ボケでもあったが、良い時代でもあった
コメント (4)
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