６月２日（水） ” 涼 ”

　田園地帯へ出かけた。
水田に井戸から汲み上げられる水。
　”涼　”としか呼びようがない。
　濡れタオルで首筋を拭いてみたい。

カラス １

　　”巣立ち雛”

　まさか今日がカラスの日になるとは思ってもいなかった。
事の始めは田園地帯を車でスローに流していた。
と、今日狙いの鳥が目の前の芦原に飛び込んだ。
　芦の上に上がってくるか、飛び立つところが撮れるかもしれない。
車から降りてカメラを構えて待った。フィールドはオオヨシキリの大合唱である。
　と芦原から「グワー」とカラスのようなカエルのような大きな鳴き声がした。
予想外の声にびっくりしたが、二度目に鳴いたとき、私から３ｍくらい先の道の草の中に
頭だけ出ているカラスを発見した。
　まだ飛べないうちに巣から落ちたのか、あたりはカラスの気配もない。
カラスの目は青いんだ。

カラス ２

　最初カラスはまったく動こうとしなかった。
ケガでもして動けないのではないか。
頭だけ出してるカラスをしばらく撮ってから、
日よけにしてやろうと草を摘んでかけようとしたらむくむくと動き出した。
　そしてか弱そうにカーと鳴いた。
　鳴いたって近くにカラスなんか居やしない。
二度目に鳴いたとき遠くでカラスの声がした。
二羽のカラスがこちらに向かってくる。

カラス ３

　親が来るだろうからと私は雛から２０ｍほど離れて観察することにした。
親を発見した雛は途端に大きな声で鳴き始めた。
　ところが親は土手の上にしばし止まったと思ったら私の頭の上を飛び始めた。
私を威嚇しているのだ。

カラス ４

　”土手に下りた二羽の親カラス”

　私はこれはヤバイと思って車の中に入って窓も半分閉めた。
カラスは私の車の真横の土手に降りて、興奮して鳴きながら土手草を引き抜いては空に跳ね上げる。
土の付いた草の根っこが数十センチ空中を舞う。人間が草取りしてもあれを抜くのはかなり力の要ることだ。
　かなり興奮しているのだろう。

カラス ５

　いつまでたってもカラスはその場から動かない。
私の車が去らなければずっと居るに違いない。
　私は立ち去ることにした。
と、ほとんど人の通らない農道を後ろから歩行者が来るではないか。
カラスの逆鱗に触れるに違いない。私は黙ってみていた。

カラス ６

　案の定、カラスの猛攻にあった。
この人は雛が道端に居ることも気づかずに通り過ぎようとした。
　もう写真の地点は雛の居る場所から２０ｍほど離れているが。
街のチンピラが肩をいからせて突っかかっていくように横っ走りで追いかけて行く。
　私もこの後ゆっくり車を発進させた。
車は遠ざかる方向に向かっているにもかかわらず、３０ｍほどは車の上を飛び回っていた。

カラス ７

　今日のカラスは荒れている。
これはさっきとまったく離れた場所です。
　田の真ん中に居たアオサギにカラスが突っかけている。
アオサギが冠羽を立てて怒っている。ギャーという鳴き声がここまで聞こえてくる。

カラス ８

　カラスは二羽になった。
この後上空にもう一羽のアオサギが現れ近くの畦にとまった。
争いはそこで収まった。
　別の鳥も撮ったのですが、今日はカラスデーということで。