知らない街へ(1)
車は、方向音痴になるほど、右に左に直角に曲がりながら、
工場の建物ばかりの間を抜けて、とある港に着いた。
男も初めての場所である。周囲がどうなっているかもよく分からない。
時刻は午前3時を15分ほど回っている。まだ真夜中である。
男は車から下り、三脚にカメラを固定した。
明るい照明はあるものの、陰はかえって見えにくく、
物につまづかないよう気を付けて、足元から撮り始めた。
知らない街へ(1)
車は、方向音痴になるほど、右に左に直角に曲がりながら、
工場の建物ばかりの間を抜けて、とある港に着いた。
男も初めての場所である。周囲がどうなっているかもよく分からない。
時刻は午前3時を15分ほど回っている。まだ真夜中である。
男は車から下り、三脚にカメラを固定した。
明るい照明はあるものの、陰はかえって見えにくく、
物につまづかないよう気を付けて、足元から撮り始めた。