詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

2008年02月08日 | 日記
東京は まるで
橋の博物館みたいだった

関東大震災のあとに
真っ先に作られた
数多くの風変わりな東京の橋たち
いつも どこからか
トランペットの音が聴こえていた
君とまた再び出会った
多摩川の橋の下

君のアパートへと行く途中
橋のたもとで毎晩
呑んでは歌ってた望郷の歌
いつも 
そのオデン屋の赤提灯の向こうには
燃えるようだった東京湾

ふるさとでの夕暮れ時
君との逢引のたびに
丸太の一本の橋を渡ってゆく
ぼくの足許を濡らしていた
漆黒の花びらたち

渡っていった人たちは
誰ひとり
戻ってこなかった
故郷の丸太の一本橋の向こうはいつも
ぼくの心みたいな夕焼けだった

あした

2008年02月08日 | 日記
あした まだ
世界が無事に生き延びてるなら
遠い世界からの
ありふれた歌を口ずさみ
去ってゆく君の
「さよなら」という微笑みを思いだそう
風や 樹のそよぎや
残雪の山々に励まされ
生きてゆこう

明日がどんな日であれ
生きているだけで幸せだと思いながら
鳥たちのさえずりを聞いていよう

懸命に生きようとする人間を
抹殺しようとするすべての試みに
反対の声をあげながら
決して絶望することなく
生きてゆこう