詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

破廉恥罪で警察に逮捕されてオーウェルの「1984」を連想

2008年11月01日 | 日記
風邪でごろ寝してたら
破廉恥罪で
警察に逮捕される夢をみた

コスモスがさわさわ揺れる
しなびた駅のプラットホームで
ぼんやり立ってると
ホームの端から
改札を通らずに出てゆくきみの後ろ姿が見えた

きみが通って行ったらしい
細い路地へと足を踏み入れた途端
真っ赤に紅葉した落ち葉が
はらりはらはら

門からその樹を覗いてると
とっても大きな白い花が
庭中を埋めつくして咲いていたので
通りすがりの老爺に
「あの花はなんて言うんですか」
「いやよくわからんですな」

するとすぐ横で
さっきホームから出て行ったきみが
「あれはクチナシの花だよ」って
でもクチナシって秋だったかな・・
首を傾げながら歩き出すと
きみもすぐ後から歩き出す

「毎日毎日夜勤明けでくたくただよ」とぼくが言うと
「家族と喧嘩して家出してきたとこだよ」と呟く
あの頃のままのきみ

「あそこでちょっと休むべか」と
牧草ロールが両脇に転がる草原に寝転んで
青い青い空と
流れゆく雲を見上げていると
まるで 早く帰って来いよと
囁いてるようなせせらぎの音

いつの間にか すぐ隣に
寝そべったきみの襟足の金色のほつれ毛
かすかなきみのため息が
幾千もの綿毛となって飛んでゆく
ススキからススキへの秋の風のなか
どうしてだか
きみに口づけをし
力いっぱいきみを抱きしめてた

どやどやという大勢の足音に
周囲を見渡すと人相の悪い一群
「警察へちょっときてくれ」
「こんな見晴らしのいい場所でけしからん」
「お前はなんて破廉恥な奴なんだ」

さめざめと泣いている
きみの横顔に見とれながら 
突然思い出したのは
オーウェルの「1984」の結末
それと同じ光景だった
トヨタグループ最後の日の首切りの儀式

誰もが毎日
唇を噛みしめながら生きている
こんなことでは駄目になってゆくと
もしもこうだったらなと

けれども
今日の惨めさからしか
ほんとうの出発は
ついに訪れないのに違いない

可憐な花梨

2008年11月01日 | 日記
どうしてだか
まん丸い梨より
でこぼこざらざらの西洋梨の方が
子供の頃から大好き

部屋中に置いた
黄緑色の不ぞろいな花梨は
馥郁と西洋梨の香り

天国のきみにも
この香りが届くようにと
きみが微笑んでる写真の前にも
可憐な花梨

まるであの頃のきみみたいな
可憐な花梨
そろそろ
初恋のきみのお墓にも
まっさらな雪が
ふわり ふわふわ
降り始める季節