朝見上げるたんびに
いよいよ白一色へと変貌してゆく
遠くの連山
あんまり寝つきが悪いので
とうとう
湯たんぽを物置から取りだしてきた
認知症で寝たきりになってしまった母の介護の時にも
使っていた湯たんぽ
まるで未来が
いっぱい詰まったかのように
鮮やかなオレンジ色の湯たんぽ
「おやすみかあさんいい夢をね」と言うと
いっつも掛け布団から
きらきらふたつのどんぐり眼
いたずらっ子みたいな顔を覗かせて
「バアァー、あんたもいい夢をね」と
いっつも太陽みたいに
優しく微笑んでたかあさん
ちゃぷちゃぷ湯たんぽ
あったか湯たんぽ
「かあさん天国でもいい夢をね」
そっと呟きながら
まるで故郷のラッコみたいに
湯たんぽを抱きしめると
遠い木枯らしの音が
かすかに聞こえる
いよいよ白一色へと変貌してゆく
遠くの連山
あんまり寝つきが悪いので
とうとう
湯たんぽを物置から取りだしてきた
認知症で寝たきりになってしまった母の介護の時にも
使っていた湯たんぽ
まるで未来が
いっぱい詰まったかのように
鮮やかなオレンジ色の湯たんぽ
「おやすみかあさんいい夢をね」と言うと
いっつも掛け布団から
きらきらふたつのどんぐり眼
いたずらっ子みたいな顔を覗かせて
「バアァー、あんたもいい夢をね」と
いっつも太陽みたいに
優しく微笑んでたかあさん
ちゃぷちゃぷ湯たんぽ
あったか湯たんぽ
「かあさん天国でもいい夢をね」
そっと呟きながら
まるで故郷のラッコみたいに
湯たんぽを抱きしめると
遠い木枯らしの音が
かすかに聞こえる