詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

大好きな宮沢賢治の詩 〔サキノハカといふ黒い花といっしょに〕

2008年11月06日 | 日記
サキノハカといふ黒い花といっしょに
革命がやがてやってくる
ブルジョアジーでもプロレタリアートでも
おほよそ卑怯な下等なやつらは
みんなひとりで日向へ出た蕈のやうに
潰れて流れるその日が来る

やってしまへやってしまへ
酒を呑みたいために尤らしい波瀾を起すやつも
じぶんだけで面白いことをしつくして
人生が砂っ原だなんていふにせ教師も
いつでもきょろきょろひとと自分とくらべるやつら

そいつらみんなを
びしゃびしゃに叩きつけて
その中から卑怯な鬼どもを追ひ払へ
それらをみんな魚や豚につかせてしまえ

はがねを鍛へるやうに
新らしい時代は新らしい人間を鍛へる
紺いろした山地の稜をも砕け
銀河をつかって発電所もつくれ

注:改行は僕の責任です。
サキノハカは墓という字を分解したという説がある。晩年にはマルクスやレーニンを勉強していたり、「革命」という作品名が賢治の手帳に残されている。
その他に好きな詩は「生徒諸君に寄せる」。宇宙飛行士の毛利さんが好きで宇宙まで持っていったという詩集から朗読していた詩でーhttp://www.ihatov.cc/haru_3/383_d.htm
賢治には珍しい切実な恋愛の詩「ローマンス」もーhttp://www.ihatov.cc/haru_3/315_d.htm