詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

父の思い出

2008年08月04日 | 日記
  ニューギニアより飢え逃げのびし兵士なる父は植林する海見ゆる丘まで

父の経歴の戦前部分は、作家の城山三郎氏とほとんど同じくらいよく似ている。16歳くらいで海軍に志願して、危うく特攻隊員に。(試験で落ちたそうだ。運動神経に問題があったらしい)

それから敗戦濃厚なラバウル飛行隊へと配属されたけれど、ついてすぐにマラリアにかかって病床に。それからニューギニアに送られて、米軍の制海・制空圏の支配がきつい北側から南側へとこの島を縦断したとか。

父が飲むといつも口にしてたのが、「好きな物を好きなだけリュックに詰めろ」と言われたので、まだ十代で甘党だった父は砂糖ばかりを詰め込んだのだという。

ところが、塩だと現地住民からいくらでも食料と交換可能だったのに、砂糖では見向きもされなかったという。夜になると原住民の畑へ芋をかっぱらいに行っては、毒矢を射掛けられるという毎日だったという。

父の命日には、最後まで肌身離さず持っていた手榴弾は津軽海峡に「放ってきた」と淋しげに呟いていた父の横顔を思い出す。



蒼穹

2008年08月04日 | 日記
夕暮れ時の群青色の空は
眠りへと堕ちてゆく寸前の
揺り籠のきしみ
明けてゆく朝の紫色の空は
まるで
燃え尽きてゆく紙片の輝き

楽しさの後には
空しさだけが残るから
もう ずっと
祭りなどには出かけない

苦しみの後には
やり遂げたという充実感があるから
困難な方へと進路を取ってしまう
いったいどこまで
俺は絶えられるんだろうかという好奇心と
こんな地点でも
耐えることができたんだという安堵感

蒼穹は いつも
ぼくの父母のように
見上げるしかないまばゆい夕焼け

すぐ向こうの空の下には
きっと素晴らしい世界が
広々と
広がっているんだろなといつも思う

日本SFの金字塔、篠田節子の「斉藤家の核弾頭」

2008年08月04日 | 日記
欲ボケ亡者たちの支配する国
最近のぼくは、あんまり過激な詩をアップしなくなったせいか、以前リストラされたトヨタ関係や創価学会関係や、いまだに訳のわからないこの国の腐りきった詩人やらのいやがらせ的書き込みがなくなった
けれども、新しい出発のためにーぼくがネットを始めた頃の詩を再度アップしたい。


  「国民総葬式国家ー日本」(これは気の抜けたサイダーみたいな推敲詩だったな。元の詩は明日アップする!)

国民の税金や共有財産を
掠め取ることしか頭になかったこの国の政官財の
壮大なバベルの塔も
いよいよ崩壊の時を迎えつつある

つい40年ほど前には
借金ゼロだった国や地方は いまや
少なく見積もっても1000兆円の借金
といったって いつの時代も
最終的に支払わせられるのは国民の血税からだ

本来年金積み立て者に支払うべきだったのに
約10兆円の年金積立金を強奪して「リゾート法」やグリーンピア以降も恥じることなく
自然破壊と人間破壊に懸命だった厚生労働省官僚たち
彼らに負けず劣らず
正当な担保をとるという資本主義の根本を覆して
バブル投資に狂奔した挙句のこの国の銀行や大企業たち

その彼らが
我々の血税からの数十兆円もの援助で息を吹き返し
いまやわが世の春楽しみ
史上最高の利益を貪り
社会貢献どころか
国民への恩返しさえも忘れて ますます
アメリカのハゲタカ国際金融資本家に瓜二つ

かなり前に読んだSF「斎藤家の核弾頭」(篠田節子)にも
そう遠くないこの国の
似たような未来の話があって
ランク付けされた国民背番号の下位の人間から
臓器移植や人体実験や食料へと
順番に抹殺されてゆく

そこでは 俺みたいに
学歴も社会に役立つ才能もない自称詩人の類の人間が
真っ先に反社会的という烙印を押されて
データー収集や管理用のマイクロチップを
体内に埋め込まれて 監視カメラだらけの
原発跡地や公害跡地・災害跡地へと追いやられる
そこで
遺伝子変異等の実験データーを十分に採取された後は
めでたく勤めを終えて
臓器移植や食料のために抹殺される
めでたし めでたし
その場所の放射能やらの安全値が確認された後に
税金ネコババに目の血走った政官財支配層の
日本低国株式会社の偉いさんたちの
豪邸がにょきにょきと建ち並ぶ

原宿には留置場よりも、国会や首相官邸の隣に税金ネコババや売国どもの留置場を作るべきだべなと思う。
あまりにも官僚・公務員・政治家・企業の犯罪が多すぎるし、これが日本人のモラル崩壊の原因だからだからだ。
いまや、政官財=税金泥棒というイメージが日本人に共通の常識となりつつある。
表題の国会に核弾頭をぶち込むという爽快なSF小説は、日本SFの金字塔、篠田節子の「斉藤家の核弾頭」。

バラード

2008年08月03日 | 日記
ヤケ酒を飲んで
市営グランドの柵を乗り越えたら
そこは満天の星々
ぼくだけの舞台
なにひとつ
歌の聞こえてこない

寝そべって見上げれば
空も 地球も
蒼穹の夢の欠片のよう

円形競技場みたいな市営グランドを
おそるおそる
素足で歩いてみたよ

喚声はもう遠い過去のこと
昨日君と別れてきた
街の雑踏も
まるでいまでは海底の葬送

花火が欲しかったので
バーンと喚声を上げてみたよ
眼のなかいっぱいに
破裂するのは涙だろうか

さよなら
いつも風の中だった20世紀
さよなら
いつも奴隷たちの国というより
家畜たちの国だった祖国 


ぼくがネットに初めて書き込んだ過激な詩が見つからないので最近の詩をー

2008年08月02日 | 日記
五年前のトヨタグループに続いて
つい先日は
創価学会系企業からの首切りだった
もっともこの奴隷の国では 
もう誰にも
生きる権利なんて残されてないけど

トヨタ方式のリストラ方法はー
グループ内の人事・総務責任者が
定期的に集まっての共産党対策や著名人を呼んでの勉強会
極秘の「要注意人物ブラックリスト」の検討会
誰それが何月何日にどこへ行って誰と会ったとかの報告会

共産党員や他の左翼やなにかの反体制的運動をやった人々のリストが
コンピュータシステムを寄贈した警察署等との間でやり取りされる
会社への反抗度から 交友関係図式
(「それ見りゃスパイは一目瞭然!」とうっかり口をすべらせてしまったので
リストラ後に共産党からは見放され
警察からは目をつけられてほとんど毎日パトカー等尾行つき
散弾銃でフロントガラスが弾痕だらけになったことも

ブラックリストの内容はというと
借金・貯金額から趣味やセックス内容から
本人ですらうろ覚えの家族の車ナンバー
通院・病歴や病院での診察内容や言った事まで
僕もリストラされた何人かの上司も
「病院でなんで会社の秘密をばらすんだ」と
もっと上の上司からの大目玉

過労死や突然死や自殺も多かった
団体割引の生命保険ウン千万円が
濡れ手で粟で入ってくるのでお偉いさんたちのドンちゃん騒ぎ
ウン千万円の臨時収入だ
トヨタでは一番の出世コースの組合もまた
組合費で接待ゴルフや海外旅行は日常茶飯事
僕はといえば満期の生命保険を受け取り拒否したので
出世コースから外れて窓際族になってしまった
あの時受け取っていたら
課長や市議くらいにはなってたのかも

以前はまだまだ穏便だったトヨタ方式首切り方式
仕事を与えず 配転先で「あいつはアカだから話すな」とか
中高年社員や女子社員を一列に並ばせて退職するまで芝生のゴミ拾い
トイレの時間や回数をストップウオッチで測定
僕の場合は手かざしの新興宗教に連れて行かれて「狐がついてる」とか
逃げ出した女子社員を皆で取り押さえて引きずりまわし 
「山口系暴力団の殺し屋に注意しろ」との脅迫

創価学会系企業の方は
社会貢献や 悩める人々の救済どころか
税金ネコババ官僚ども顔負けの
汚れた金のマネーロンダリングや 
政党・政治家へ渡される我々の血税の守銭奴への上納
この国の腐りきったすべての宗教団体同様の
人間など虫けら同然と見なしてのやりたい放題
宗教団体の利益よりも
一人一人の人権こそもっとも大事なものであるはずなのに

半年くらい仕事を与えず
電話も受けるな 掃除もするなと
そして公然と目の前で僕の悪口を言い
「首にする」「早く辞めろ」の毎日
自分らの私利私欲しか眼中になかったトヨタでさえ
「掃除をやってます」とか
「母の介護が出来なくなるので出向できない」とか
という事は認めざるを得なかったというのに
法務官僚がリストラのために天下ってくるまでは

あの町

2008年08月01日 | 日記
あの町は風の町
断崖と断崖との間の
砂浜に沿った町

生まれて初めての
あまりの海の大きさに
じゃぶじゃぶと顔を洗った浜

今ごろは
浜茄子が風に翻がえり
鴎がのんびり
対岸の半島とのあいだを
行き来していることだろう

どうしてだか
いちばん仲のよかった幼馴染と
帰ったら
真っ先に会いたかった君とが
ずいぶん昔に
亡くなってしまった町

いつの日にか また
あの砂浜に立ちつくして
あの世の君たちに
大声で呼びかけてみたい町

「もう一度だけ
 会って話したかったよ」

「きみ等の分まで
 生きるつもりだよ」

水の中のナイフ

2008年08月01日 | 日記
ポーランド映画には忘れられない映画が多い
ワイダ監督の「灰とダイヤモンド」「地下水道」「鉄の男」
つい最近「戦場のピアニスト」で健在振りを示した
ポランスキー監督の最初期の映画に
「水の中のナイフ」というモノクロの映画がある
水のきらめきばかりが延々と続く映画なのに
映画ばかり見ていた二十歳頃を思い出すと
いつも脳裏に浮かんでくる映画

その頃を思いだすと もうひとつ
どうしても手放せないナイフがある
山へ行く時にも
暮れなずむ街角にひとり
迷子になってしまった時にも

きみからプレゼントされた
赤い小さな万能ナイフ
スイスの国旗が刻まれた
しんやりとしたナイフ

このナイフで
なんどお祝いのビールの栓を抜いたり
淋しく冷えたワインの栓を開けたり
飢えきって缶詰を開けたことだろう
山小屋で汗だくの衣服を脱いで
赤々と燃える薪ストーブの前で
素裸で火に手をかざしながら
きみを想いながら眠れなかった夜にも

病室のきみを見舞った時にも
真っ赤な林檎を片手に
「最後まで切らずに皮をむけるんだよ」と
微笑み合いながら

きみの死から
もう十年も経つというのに
いよいよ赤く
まるで色褪せることのないナイフ
きらり きらきら
水の中のナイフみたいな
きみの思い出でいっぱいのナイフ