先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

MSやアマゾン、カーボン・ネガテウィブ(全てのCO2を回収)へ!

2020年01月21日 22時27分13秒 | 日記

 

カーボンネガティブとは、大気からCO2を除去し、炭素化合物として木材等に貯留する方法や、CO2を分離・回収し、それを地中や海中等に長期間にわたり安定的に貯留・隔離することにより、地中に保存させたり海洋隔離することである。ここに来て、ただ二酸化炭素を空気から取り出すのではなく、合成液体燃料の主要原料にできる様になったと言う。たとえば、カーボン・エンジニアリング社は現在、純粋な二酸化炭素と再生可能エネルギーを使って水から取り出した水素を組み合わせた液体燃料を一日約1バレル生産している。マイクロソフトやアマゾンなどは、こういった、大気からCO2を除去し、液体燃料として使う技術開発に巨額な資金を投入し始めたという。
 
今までのCO2削減の取り組みは、カーボンニュートラルと呼ばれ、大気中にCO2を排出しないことを目指す。

方法の一例は以下の通り。

  • CO2排出量と除去量のバランスをとる。例えば、1トンのCO2を大気中に排出するごとに1トン回収する
  • CO2排出量分を相殺する。例えば、世界のどこかでCO2排出量を削減するプロジェクトに投資する
  • そもそも温室効果ガスを排出しない。例えば、再生可能エネルギーに切り替える

これまでは、ほとんどの企業がカーボンニュートラルを達成するために排出量分を相殺することを重視してきた。

例えば、水力発電所を建設したり、まきストーブの使用を家族にやめるよう促したり、企業が太陽光発電を活用する手助けをしたりすることが多い。

カーボンニュートラル法では、排出量を抑えられるが、除去量が排出量を超えることにはつながらない。

日本の巨大企業、企業の社会的責任を果たす意味でも、CO2削減に努力すべきであるが、どこもそういう取り組みをしていない。ちょっと悲しいはないである。

 
マイクロソフトが2030年までに二酸化炭素排出量をマイナスにすると表明/Mike Kane/Bloomberg/Getty Images

マイクロソフトが2030年までに二酸化炭素排出量をマイナスにすると表明/Mike Kane/Bloomberg/Getty Images

サンフランシスコ(CNN Business)  米マイクロソフトは、二酸化炭素の排出削減量が排出量を上回る「カーボン・ネガティブ」を2030年までに達成し、クリーン技術の開発支援に10億ドル(約1100億円)を投資すると発表している。

排出量削減の手段としては、再生可能エネルギーを調達して2025年までに電力消費の100%をまかない、世界の同社キャンパスで使う車は2030年までに全て電気自動車に切り替える。さらに、10億ドルの「環境イノベーションファンド」を創設して二酸化炭素排出削減技術の開発を支援する。

2050年までには、「マイクロソフトが1975年の創業以来、直接的に、あるいは電力消費によって排出してきた二酸化炭素を全て環境から取り除く」と表明した。

大手IT企業に対しては、投資家や社内からも、気候変動に対する対策強化を求める声が強まっており、アマゾンやアップルなども対応を打ち出している。米アマゾンは、2019年9月に、「カーボンニュートラル」を2040年までに達成すると発表している。


貿易戦争の影響で、生産拠点としての中国人気に陰り

2020年01月21日 21時59分14秒 | 日記

Smeilov Sergey / Shutterstock.com

バラク・オバマ前米大統領は正しかった。コスト削減のために海外に製造拠点を移した企業が、それなりの数でアメリカに戻ってくることはないだろう。


ただし貿易戦争は、中国の製造業には打撃をもたらしている。アメリカの製造企業が自国に戻る原因にはなっていないとはいえ、他のアジア諸国に負ける中国企業が増えているのだ。

アメリカのブルーカラー労働者たちは、中国のブルーカラー労働者に対してこう言うかもしれない。「われわれの住む世界へようこそ」と。

各国の企業に対して品質管理・サプライチェーンの監査プログラムを提供している香港のQIMAは1月13日、四半期ごとに発表している報告書「2020年第1四半期バロメーター」を発表した。これによると、中国国内に拠点を置くアメリカ企業からの監査依頼は2019年、前年と比較して14%減った。その一方で、ベトナム、台湾、ミャンマーなどを含む東南アジア全体では、アメリカ企業からの監査依頼が10%近く増えたという。

監査や製品検査は、アメリカの多国籍製造企業やその取引先が、どこで製品を製造しているかを知る上で優れた判断基準になる。QIMAは同報告書の中で、監査の数が減ったということは、中国国内の企業の受注も減っていることを意味すると指摘している。

意外にも、製造業(特に縫製工場)が順調なのは南アジアのバングラデシュのようで、その業績はベトナムを凌いでいる。2019年、同国内の工場からQIMAへの検査依頼は、前年比で37%増だった。
 
アメリカ企業は主に、ラテンアメリカの一部の国に調達先を移す傾向がみられた。ラテンアメリカにおけるアメリカ企業からのQIMAに対する製品検査と監査の依頼は2019年、前年の2倍に増加した。製造拠点の移転先として最も多かったのが、メキシコ、ペルーとグアテマラの3か国だ。

欧州企業も、自国により近いところにとどまる傾向があり、2019年にはサプライチェーンの一部をアフリカ北部や中東に移した(そして、それによって中国に打撃をもたらすこととなった)。これらの地域での監査および製品検査は、前年の3倍に増えたとQIMAは言う。トルコやモロッコ、チュニジアやエジプトが主な移転先だった。

2020年1月15日に米中首脳が第1段階の合意文書に署名した貿易協定交渉の進展は、ウォール街に幾らかの楽観主義をもたらした。だが、米中貿易戦争が世界貿易にもたらした影響は2020年も残り、各企業は引き続き、調達先の見直しを行っていくだろう。

各国の企業が製造拠点を地理的に多様化させていることは、中国にとっては逆風だ。中国は現在、2000年代の大半において逃げおおせてきた世界貿易機関(WTO)の環境・労働に関する規則を、これまでよりも順守すべく取り組んでいる。環境汚染についてもこれまで以上に厳しく取り締まっており、中国はもはや安上がりな国とは言えない。中国国内で輸出ビジネスを築くのにかかるコストは、以前ほど魅力的ではなくなっている。労働環境や環境への配慮が改善されたことで、利ざやが減っているからだ。

だがその一方で、中国の国内市場も、同国がWTOに加盟した2001年とは一変している。そのため、今では多くの企業が、市場としての中国に魅力を感じている。

世界的なサプライチェーンの製造拠点は今後も、国の利益や政治的な利益によって影響され、より地元に近い場所に移動するというパラダイムシフトが進むだろうと、QIMAは報告書で指摘している。

その結果、東南アジアやラテンアメリカのフロンティア市場に、新たな工業地域が建設されている。こうした動きは、米トランプ政権の移民政策にとっては都合がいいものかもしれない。ブルーカラー労働者をアメリカに寄せつけない効果がある可能性があるからだ。

一方、中国国内での監査依頼全体(非アメリカ企業からの工場検査の依頼も含まれるもの)は、前年と比べて3.4%減少した。

海外に拠点を移した企業を呼び戻す、というアメリカの夢はまだまだ叶いそうにない。だが、貿易戦争の影響で、製造拠点としての中国人気には陰りがみられるのだ。

一部のアメリカ企業が、海外ではなく国内での調達を続けている理由としては、関税によって大きな打撃を受けるのを恐れていることも考えられる。規制緩和や減税も、米国企業がサプライチェーンを国外に求めるのを防ぐ上で役立ってきた。

QIMAは、米国企業や欧州企業が2019年、「かなりの割合の」調達先を、自国により近い場所に移したと指摘。その理由として、関税のほか、生産コストの高騰、あるいは、自社に適した製造能力へのニーズや、サプライチェーンを中国以外に多様化させることのニーズがますます高まっている点などを挙げている。

中国・ロシアが開発する極超音速機──アメリカは衛星探知網を実現できるか?

2020年01月21日 21時53分36秒 | 日記

 

 

ニューズウィークに依ると、『中国・ロシアが開発する極超音速機──アメリカは衛星探知網を実現できるか?』 アメリカも1940年代後半からHGVの研究開発を進めてはいるものの、中露に後れを取っていると言う。中核技術であるスクラムジェットエンジンの開発などに時間を要している。また、現代のHGVの課題である2000度以上の高熱に対する技術はまだ確立されていないという。

ノースロップ・グラマンによる極超音速機衛星探知網「HBTSS」のイメージ Source: Northrop Grumman

<中国、ロシアで開発が進む極超音速機(HGV)に対して、アメリカでは、探知、追跡技術の開発が始まっているがなかなか実現に至っていない......>

更に中国、ロシアでは極超音速機や極超音速ミサイルの開発が進んでおり、世界各国でマッハ5を越えて飛行する極超音速機(HGV)や極超音速ミサイル(HCM)の開発が進んでいる。

Science誌がまとめた各国の開発状況によると、中国は、マッハ6で飛行可能な極超音速ミサイル「星空2号(Xingkong-2)」を開発中だ。中国航天科技集団第十一研究院は2018年に飛行試験に成功したと発表しており、現在のミサイル防衛システムを突破できる性能を持つという。また、2019年10月に中国の軍事パレードに登場した「東風17号(Donfeng-17/DF-17)」は、極超音速で滑空する機能を持つ極超音速機(HGV)としての機能を持つミサイルとされている。

HGVそのものの開発だけでなく、分野全体の研究開発が進んでいるのが中国の特徴だ。厦門で開催された2017年の会議では、250を越える論文が発表され、HGVが残すイオン化されたガスやプラズマの噴煙をレーダーで捉える技術など、HGV兵器を検知する技術の開発も進んでいるという。

ロシアは「Kinzhal(キンザール)」とよばれるマッハ10まで到達可能な空中発射ミサイルを公開している。昨年12月には「Avangard(アバンガード)」と呼ばれるHGV機能を持つ弾道ミサイルの試験を実施したと発表し、ロシアの発表ではウラル山脈の基地から発射されたアバンガードは成層圏で母機から分離後にマッハ27に達し、カムチャッカ半島の標的に命中したという。

アメリカでは探知、追跡技術の開発が始まっているが......。アメリカは中露のHGV開発に危機感を抱いている。1940年代後半からHGVの研究開発を進めてはいるものの、中核技術であるスクラムジェットエンジンの開発などに時間を要している。また、現代のHGVの課題である2000度以上の高熱に対する技術はまだ確立されていないという。

一方でアメリカでは、HGVを探知、追跡技術の開発が始まっている。アメリカの現在のミサイル防衛網はICBMを想定し、静止衛星から赤外線センサーでミサイルの熱を探知する機能を持っている。しかしHGVは静止衛星からだと「10~20倍も『見えにくい』」のだという軍の見解があり、しかも地上のレーダーでは捉えられない領域を飛行してくる。

HGVに向けた追跡網を準備する必要があり、そのために小型衛星を活用しようという計画が始まっている。「Hypersonic and Ballistic Tracking Space Sensor:HBTSS(極超音速・弾道追跡宇宙センサー)」または「Space Sensor Layer(スペース・センサー・レイヤー)」と呼ばれる衛星網が2030年を目標に作られようとしている。

現在のミサイル探知システム「SBIRS(Space-based Infrared System)」とよばれ、静止衛星と長楕円軌道の衛星の組み合わせから構成されている。10秒ごとに地球上の熱源を赤外線センサーで検出でき、ミサイルに加えて航空機事故などの熱源も探知できるとされており、2014年のマレーシア航空17便の撃墜を捉えたという。SBIRS機能強化型の後継衛星センサー、OPIRも計画されている。

 

150515-F-ZZ999-111.JPGSBIRS静止衛星 Photo of SBIRS courtesy of Lockheed

といっても、SBIRSは当初の構想通りに構成されたわけではなかった。SBIRSはもともと、静止衛星を中心とするSBIRS-Highと低軌道の衛星網によるSBIRS-Low、ふたつの組み合わせから構成されることになっていた。

しかし2001年に開発計画が空軍からミサイル防衛局(MDA)に移管され、STSS計画と名を変えて2006年に全24機の衛星打ち上げを開始することになった。実際には、2009年にSTSSの実証衛星2機を打ち上げたものの、衛星網の実現には至っていない。

STSSでの実証を元に、さらに大規模な低軌道衛星網を構築し、HGVの脅威に備えようというのがHBTSSの構想だ。衛星網の規模は数百機に拡大され、HGVを捉えられるセンサーを載せて次々と打ち上げられる。大型の静止衛星では開発に5年、7年とかかるところを小型衛星ならば低コストに次々と衛星を入れ替えることができ、衛星網全体の機能を更新しやすいという目論見だ。

何度も名前を変えて構想されては実現にいたっていない

ミサイル防衛局と共同で衛星網の構築技術を開発している宇宙開発庁(SDA)とDARPAは衛星網全体を2年で更新できるとしており、技術実証衛星を2021年に打ち上げる。2019年10月にノースロップ・グラマン、レイセオン、レイドス、L3ハリスの4社がミサイル防衛局からHBTSS衛星網の開発契約を受注した。2020年秋までには、プロトタイプセンサーの設計が完了する目標だ。

とはいえ、何度も名前を変えて構想されては実現にいたっていない宇宙ベースのミサイル検知網に対して批判は根強い。静止衛星のSBIRSは開発にかかる時間とコストがたびたび問題視されており、商用衛星の技術を取り入れるなどコスト削減策の取り入れに迫られてきた。HBTSSが本当に低コストかつ短期間で構築でき、SBIRS-LowやSTSSの二の舞にならないのか? という冷ややかな視線はまだ消えない。

 中国の極音速ミサイル→ここから映像 Military news: China tests hypersonic aircraft Starry Sky-2
 
ロシアの極超音速ミサイル→ここから録画映像 How will Russia's new hypersonic missile affect global arms race? 
ロシアの超音速ミサイル→ここから映像 Russian Kinzhal hypersonic missile launched amid drills in Black Sea